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iDeCoの運用に活かしたい「株価」と「債券価格」の相関性

6/21(水) 17:30配信

ZUU online

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金を積み立てながら自分で資産運用しなければならない。資産運用の結果により将来受け取る年金の額が変動する。資産運用にあたって押さえておきたい知識として、今回は「株価」と「債券価格」の関係について解説したい。

■株価と債券価格の相関性

株価とは、株式の市場における価格をいう。株式は、投資のためのツールと考えられがちだが、実際には企業が事業資金を市場から調達する役割を担っている。株式を発行することにより、市場から資金を調達することができるからである。企業が株式市場に上場すると、その株式の価格は需要と供給によって上下する。人気の高い銘柄(企業)は欲しがる人が多いので株価が上がり、逆に人気が低い銘柄は株価が下がるのが一般的だ。

一方、債券とは、国や地方公共団体、企業などが発行する有価証券であり、国債や社債などと呼ばれる。社債もまた、企業が事業資金を調達するために発行されるものだが、償還期限が設けられていることと、当該償還期間が到来したら利子を上乗せして返還するという点では、借金に近い性質を有する。債券の価格は、債券が発行または市場で取引される際につけられる。一般的に、債券価格が下がれば債券の利回りは上昇し、逆に債券価格が上がれば債券の利回りは下落する傾向にある。

株価と債券価格は、表裏一体の関係にあるといっても過言ではない。一般的には、株価が上昇する局面では債券価格は下落し、株価が下落する局面では債券価格は上昇する傾向にある。株価と債券価格は、いわば逆相関の関係にあるということだ。

株価は、発行企業の成長性や収益性が評価の対象となるため、理論上の株価は青天井である。債券の場合、元本と利息(クーポン)の元利合計以上に価格が上昇することはない。例えば、100万円の1年満期の債券に5%のクーポンが設定されており満期まで保有した場合、受取額は105万円となるため、一般的には105万円以上に債券価格が上がることはほぼない。105万円より高値で購入しても、満期償還までにそれ以上の価格で転売しない限り、投資成績はマイナスになってしまうからだ。

従って、株価が上昇する(好景気)局面では、債券よりも株式の方が収益性が高いため、株式への投資が増えて債券への投資が減る。反対に、株価の上昇が望めない(不景気)局面では、株式に投資をすることを控える人が多くなり、債券への投資が増える。債券は債務不履行(デフォルト)がなければ、額面金額に金利をプラスした金額が償還されるため、相対的に株式よりもリスクが低いからだ。

■近年の量的緩和で相関性に変化はあるか

近年、景気回復を目的として、日銀による「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が実施されている。また、世界最大の経済大国であるアメリカでも、リーマン・ショック後、市場に大量のマネーを供給する量的緩和を3回にわたって実施した。この大規模な金融緩和は、株価と債券価格の相関性に変化をもたらすのだろうか。様々な意見があるものの、「株価と債券価格は逆相関する」という従来の関係性が薄れつつある、といわれている。

なぜなら、大量のマネーが株式市場にも債券市場にも殺到することで、株価だけでなく債券価格も押し上げられているからだ。実際に、アメリカの代表的な株価指数であるNYダウは、2009年春をボトムに3倍以上上昇しているが、現在のアメリカ10年債利回りは2009年春の水準を下回っている。株価と債券価格が逆相関しているのであれば、株価が上昇する局面では債券価格は下落(債券利回りは上昇)すべきであり、少なくとも現在の債券利回りが当時のそれを上回っていないと理論上おかしい。

■基本を押さえつつ、社会情勢を把握

とはいえ、現在の金融市場は、金融政策に大きな影響を受けている特殊な状況であると考えれば、株価と債券価格は逆相関の関係にあるということは、今なお経済・金融の原理原則であるといえる。リーマン・ショック後、各国が行ってきた大規模な金融緩和も、程度に差はあれ縮小する国も現れてきた。

特にiDeCo(個人型確定拠出年金)のような長期間の資産形成をしていく場合、経済の原理原則に従って運用することが大切だ。株価と債券価格(市場金利)の動向を比較しながら、iDeCoでの運用にも活かしたい。

(提供:確定拠出年金スタートクラブ)

最終更新:6/21(水) 17:30
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