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シャープ、6月末にも東証一部への復帰申請へ 株主総会で鴻海社長が明言

6/21(水) 18:10配信

ZUU online

台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の戴正呉社長は、シャープ <6753> の東証一部への復帰について、6月29日か30日にも申請する予定であると語った。昨年8月に債務超過により、二部へ降格していた同社であるが、鴻海の下で業績は着実な改善を見せており、早期の一部復帰へ市場の期待は高まっている。

■コスト削減により、7セグメント全てで営業黒字を達成

シャープは経営不振により、2016年3月末時点で債務超過に陥っていた。東証の規定により、同年8月に二部へ降格している。2016年4月に台湾の鴻海精密工業からの出資を受け入れる事で合意したシャープは、二部降格が行われた同年8月に出資手続きを完了させ、再建を図っている。

鴻海傘下での再建は今のところ順調に進んでいる。2017年3月期の連結決算では、連結売上高こそ前年同期比17%減となる2兆506億円となったものの、連結営業利益は前年同期の1619億円の赤字から一転、624億円の黒字へ転換している。不振であった太陽光発電事業を含め、7つあるセグメントの全てで営業黒字を確保している。連結純利益は248億円の赤字となっているが、昨年の2559億円の赤字から大幅に減らしており、収益改善が着実に進んでいる事が分かる。

収益改善は徹底したコスト削減によってもたらされている。不採算取引の見直しや決裁範囲の縮小による出費の抑制が効果を生んでいる。数億円あったと言われる社長決裁の金額は300万円にまで引き下げられた。また、人員の配置換えも積極的に行っている。

■コスト削減による業績押し上げだけでなく、本業の成長力が問われる

鴻海は出資当初より、早期に一部復帰を果たす事を目標としてきた。早くても2018年3月期中と見られていた一部への復帰は、業績の改善が想定以上に進んでいる事により、時期が早まる可能性が出てきた。通常、一部指定への審査は数か月程度掛かる為、今秋の復帰を目指す事となる。

一部への指定替えには形式要件と呼ばれる条件があり、株主数や時価総額、純資産額等が一定以上である事が求められる。また、形式要件以外に適格要件といって、事業内容やガバナンス面を含めた総合的な判断を経た後に一部復帰となる。

形式要件は概ねクリアしていると見られるが、上場株式数の35%以上と定められた流通株式比率の基準に抵触する可能性がある。鴻海は関係会社と合わせて約66%のシャープ株を保有している為だ。流通株式比率の条件をクリアする為、鴻海によるシャープ株の一部売出しも検討されている。

市場は早期の一部復帰を期待しており、20日のシャープ株は前日比7.7%高となる420円で引けた。出来高は前日の6倍を超す水準となっている。

一部復帰のニュースは非常にポジティブであるが、次はシャープの成長性へと注目が移る。現在のシャープの業績を支えているコスト削減は、収益の改善には効果があるが、企業の更なる成長を後押しする材料とはならない。今後シャープが成長をしていくには、本業への注力が必要不可欠となる。

シャープは5月26日に2020年3月期までの中期経営計画を発表している。2018年3月期に連結純利益の黒字転換を果たした後、2020年3月期には連結売上高3兆2500億円を目指すというものであり、注力分野にはIoTとAI(人工知能)を組み合わせた「AIoT」と超高繊細映像の「8K」を挙げている。しかし、2017年3月期のから連結売上高を1.6倍にする計画に、市場はまだ懐疑的である。鴻海傘下でコスト削減は進むが、本業での相乗効果を生み出せていないと見る向きもある。

今回の株主総会では、9人の取締役の内、過半の5人を鴻海グループ出身者とする人事案も承認されている。これから鴻海は影響力を更に強めていく可能性も高い。戴社長は一部復帰を果たしたら、社長を辞任する意思を示すが、一方で中期経営計画の達成には責任を持つと話し、社長辞任後も会長職等として経営に関与すると見られる。有言実行で知られる戴社長の手腕が問われる。(ZUU online編集部)

最終更新:6/21(水) 18:10
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