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東芝メモリ、残るWDリスク 最悪のシナリオ「停止条件」

6/21(水) 16:47配信

日刊工業新聞電子版

■日米韓連合に加わる可能性は低い

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却を巡り、協業先のウエスタンデジタル(WD)との対立関係が硬直化している。有力な売り手候補に浮上した「日米韓連合」にWDを加え関係改善を図る案が検討されたが、実現性は乏しい。東芝は21日にも取締役会を開き売却先を決める方針だが、WDに関するリスクは残る。

 日米韓連合の一部からは、売却完了までにWDによる訴訟が取り下げられなければ、落札した場合の契約を撤回する「停止条件」の設定を検討する声も上がる。

 「WDが日米韓連合に加わる可能性は低い。両者の関係は泥沼から抜け出せないだろう」―。日米韓連合の中心を担う産業革新機構関係者は指摘する。

 東芝とWDは合弁会社をつくりメモリー事業を展開する。WDは東芝メモリ売却は合弁契約違反として5月に売却差し止めを国際仲裁裁判所に申し立てた。さらに6月には米カリフォルニア州上級裁判所にも訴えを起こした。「これが両者の対立を決定的なものにした」(革新機構関係者)。

 東芝メモリの入札は最終局面を迎え売却先候補は、革新機構のほか、米ファンド、韓国SKハイニックスなどで構成する日米韓連合と、米ブロードコムの2陣営に絞られた。

 東芝は日本企業が主導権を握れる日米韓連合を有力視し、最後の詰めの協議が進む。WDの訴えについて、革新機構の意思決定機関である産業革新委員会の委員の一人は「入札が停止してもおかしくなかったが、そうはなっていない」と指摘し、事実上黙殺する姿勢を示す。

 一方、同連合に参加する金融機関幹部は「WDが矛を収めてくれないと訴訟リスクがぬぐえない」とし「(売買契約に)停止条件を付加することもあり得る」と指摘する。東芝は17年度内に東芝メモリを売却したい意向。時間的余裕のない中、訴訟関連で売却手続きが停滞するリスクは排除したい考え。

 カリフォルニア州上級裁判所は7月中旬ぐらいまでには売却の暫定差し止めの判断を下すとみられ、「一つの節目になるかもしれない」(東芝関係者)。少なくともそれまでは、東芝とWDの対立は膠着状態から抜け出せない可能性が高い。