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日欧EPA ワイン関税 撤廃調整 小麦製品でも厳しい交渉

6/21(水) 7:02配信

日本農業新聞

 欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉で、政府は輸入ワインの関税を撤廃する方向で調整に入った。EUは早期撤廃を求めるが、日本は環太平洋連携協定(TPP)並みの削減期間を設定したい考え。EU産はブランド力が高く、TPP以上の打撃が懸念される。スパゲティやマカロニなど小麦製品でも厳しい交渉を強いられている。小麦のマークアップ(輸入差益)の削減に応じた場合、既存の他の協定に影響が拡大する恐れもある。

 関係者によると、日本政府の鈴木庸一首席交渉官とEUのペトリチオーネ首席交渉官は19日から東京都内で協議を本格化。来週にかけて交渉はヤマ場を迎える。

 日本が輸入ワインにかける関税は15%か1リットル125円のいずれか安い方となっている。日本はTPPで8年の関税撤廃期間を設けた。だが、発効済みのEPAでチリ産ワインの輸入関税が19年に撤廃されるため、EU側は早期撤廃を要求している。

 EUから輸入するスパゲティやマカロニには現在、1キロ30円の関税を課している。TPPでは9年目に12円まで引き下げるとともに、小麦のマークアップを9年目に45%削減するとした。

 小麦製品の関税だけを削減した場合、安い小麦製品の輸入で国内製粉業者に打撃となる恐れが大きい。マークアップも削減すれば、国内生産振興に充てる財源が減る。EUからは小麦そのものの輸入は少ないため政府内にはマークアップ引き下げを容認する見方もあるが、オーストラリアとのEPAなどで再協議を求められる可能性もある。

 一方、EUは緑茶や日本酒の関税の即時撤廃に応じる方向。輸出の追い風となるが、実際は使用できる農薬が限られるなど関税以外の課題が大きく、どこまで輸出増が期待できるかは不透明だ。

 関税率が最大29.8%のナチュラルチーズはEUが幅広い品目で関税撤廃を要求。日本はモッツァレラやカマンベールなど国産と競合しやすいソフト系チーズを中心に、TPP同様に関税を維持するよう主張している。

 一方で、EUが日本車に課す10%の関税は、日本が求めている5年以下の早期撤廃は難しい状況。7~10年での撤廃を軸に攻防が続く。

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最終更新:6/21(水) 7:02
日本農業新聞