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ステンレス原料のフェロクロム、国際市場が混迷。中国ミル減産でスポット急落、日欧は引き合い堅調

6/21(水) 6:01配信

鉄鋼新聞

 ステンレス原料フェロクロムの国際市場が混迷の度を深めている。中国市場ではステンレス製鋼の減産でスポット価格が急落する一方、日本や欧米市場ではステンレス鋼材の需要好調を映してフェロクロムの引き合いは堅調だ。欧州や日本では今月末にかけて7~9月積みの価格交渉が本格化する。だが、中国とそれ以外の市場との「温度差」が鮮明となる中で、着地点はいまだ見えない。

 中国市場でフェロクロム市場価格が急落したのは5月に入ってから。同国ステンレスメーカーが一斉にステンレス製鋼の減産に入ったためだ。中国では1~3月期にステンレスの生産が大幅に増加。減産はこの反動とみられ、フェロクロムの需給も一気に緩和した。
 これに連動する形でフェロクロムのスポット取引価格が急落。関係者によると、ステンレスメーカーの多くが購入を断っている状況で、成約が成立しない中で売り唱えだけが急激に下降したという。すでに直近2カ月で3割程度下落した。
 一方、日本や欧米市場ではステンレス鋼材の需要は依然として堅調に推移している。フェロクロムの需給も引き締まった状態が続く。米国では今月、「スポット価格が上昇する局面もあった」(市場関係者)という。
 フェロクロムの需給は現在、中国とそれ以外の市場で大きく異なる状況となっている。このため今月末にかけて本格化する7~9月積みの価格交渉では、この環境の違いをどう反映させるかが焦点。
 中国市場でのスポット急落については「ある程度織り込まざるを得ない」(市場関係者)ため、交渉は値下げを軸に進められる公算が大きい。ただ下げ幅をめぐって売り手、買い手の主張がかい離する局面も予想される。
 中国でのステンレス減産がいつまで続くのかという点も交渉材料になりそう。フェロクロムの4~6月積み価格は日本着価格で1・62ドル(高炭素品、純分価格)。値下げが有力とはいえ、交渉は難航が予想される。

最終更新:6/21(水) 6:01
鉄鋼新聞