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猛毒ヒアリ 定着「阻止」 刺されたら危険 死ぬことも 神戸で一斉防除 近隣農家ヒヤヒヤ

6/21(水) 10:10配信

日本農業新聞

 攻撃性が強く、刺されると激しい痛みが生じ、死に至る危険性もある南米原産の特定外来生物「ヒアリ」が兵庫県の神戸港で発見されたことを受け、農業関係者も警戒感を強めている。米国では刺された家畜が死ぬケースもある他、台湾でも農家が刺される被害が相次ぐ。農地や牧場に広がれば農作業にも危険が伴うため、国内に定着させない対策が求められる。

 神戸市は20日、神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードでヒアリが発見されたことを受け、海を隔てて隣接する六甲アイランド(同市)でヒアリがいないか調査し防除活動を行った。六甲アイランドには、ポートアイランド同様、南沙港(中国・広州市)からの貨物が届くコンテナヤードがあるためだ。市職員ら約20人が3カ所に分かれ、目視確認の他、殺虫剤を散布。ヒアリと疑われる個体を採取した。

 コンテナでヒアリが発見された同県尼崎市の港湾部から約6キロ離れた地域で水田70アールを営む、同市の松本三千男さん(81)は「万一、ヒアリが入ってくれば大変。不安でならない」と話す。

 JA兵庫六甲も「神戸港からは海が間にあるため、すぐに入ってくるとは考えられない」とみるが、「入ったら大変なことになる」との認識を持つ。現在、JAに発生や被害の報告はない。

 神戸市危機管理室によると、ヒアリ関連の電話相談は19日現在、約40件あった。内容は刺された場合や発見時の対処法で、農業に関するものはなかったという。

 ヒアリが発見されたと環境省が発表したのは今月13日。同省によると5月26日、南沙港から運ばれたコンテナが置かれていた尼崎市で、国内で初めて確認された。

 同市に置かれる前に一時保管されていたポートアイランドのコンテナヤード付近では、アスファルトの複数の割れ目から100匹程度を確認。18日、ヒアリと分かった。

港湾125カ所 調査を要請 国交省

 中国・広州市からの工業製品を積んだ荷からヒアリが発見されたことを受け、国土交通省は19日、国内の主要港湾125カ所を管理する各自治体などに、ヒアリがいないかどうか調査を要請した。発見したら同省と環境省に通報するよう求めた。

 環境省は「米国では農地や牧草地でも巣を作っており、日本に侵入した場合、農地などで適応していく可能性がある」(外来生物対策室)と指摘する。米国では家畜が刺されて死んだ事例もあるという。ヒアリを見つけたら「踏んだり巣を壊したりせず、市役所や地方環境事務所に連絡を」(同)としている。

 アリに詳しい金沢大学の大河原恭祐准教授は「ヒアリは女王アリをたくさん産み、たくさんのアリ塚を作る習性がある。もし、刺されたらすぐに病院で受診してほしい」と呼び掛ける。

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最終更新:6/21(水) 10:10
日本農業新聞