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Googleがロボットを売った理由、ソフトバンクが買った理由

6/21(水) 20:10配信

ギズモード・ジャパン

ソフトバンクがGoogle(グーグル)からBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)とSCHAFT(シャフト)を買収するというニュースを聞いて、3年前のこの記事を思い出した人もいるんじゃないでしょうか。

【画像】Googleがロボットを売った理由、ソフトバンクが買った理由

東大発ベンチャー・シャフト元CFO激白 世界一の国産ロボットはなぜグーグルに買われたのか|文藝春秋SPECIAL

SCHAFTが日本で先行投資を片っ端から渋られGoogleに活路を見出したという聞くも涙、語るも涙な経緯が克明に描かれています。しかしGoogleもだいぶ世知辛くなってきたようですね。短期採算見通しの立たないものはバッサバッサと切る中でロボット部門の主要子会社もまた手放すことになりました。

BUSINESS INSIDER JAPANに対して、SCHAFTの共同創業者 加藤崇氏が語っているように、アンディ・ルービンが失脚したときにAlphabet(アルファベット)のロボット部門の命運はもう決まっていたのかもしれません。

ロボット狂アンディ・ルービン

レプリカント。これはGoogle親会社アルファベットのロボット開発部隊のニックネームです。Android生みの親でロボット狂であるアンディ・ルービンが立ち上げ、目ぼしい会社を8社買いまくってできた部門。しかし、Androidが思うような利益を出せないことで社内の立場が危うくなったルービンが辞めてしまってからは、リーダー不在でバラバラのロボ子会社集合体だったと各所で報じられています。

文春の記事で語られる「グーグル」というのは今にして思えばアンディ・ルービンだったのですが、ルービンはデータが神のGoogleにおいて、かなり異色の存在でした。Microsoft時代には会社の仕事もそこそこに「Robots that kill」というネオンが出ている自宅ラボに篭ってキンコンカンコンやっていたハードウェアおたくにして、Apple時代にはAndyではなくAndroidのニックネームで呼ばれていたドロイドマニア。Google創業者 ラリー・ペイジに右腕として抜擢されてからも質素な社風のGoogleにドイツ産スポーツカーのリミテッドエディションで通勤し、そんなところでも浮いていました。

ついでに言うと、Androidを見て「iPhoneのコピーではないか」とジョブズがブチ切れて緊急招集されたApple×Google伝説の巨頭ランチでは、あれも変更しろこれも変更しろと迫るジョブズに「あなたの言っていることはアンチイノベーションだ」と真っ赤になって食いかかり、御大に「髪もそっくり、眼鏡もそっくり、服もそっくり真似ているおまえに言われたくない」と言われた逸話の持ち主でもあります(Fred Vogelstein著「Dogfight: How Apple and Google Went to War and Started a Revolution」より)。

ギークにはものすごく人望があって新しいものをガッと立ち上げる才覚はずば抜けたものがあるのですが、経営を軌道に乗せるという段階になるとうまく提携先とかと協調性がとれなくてスケールアップできず、経営の才覚のある人に持っていかれてしまう、ということを繰り返してきました。Dangerでも、Googleでも。

Googleの場合、このビジネスサヴィな人というのがサンダー・ピチャイ現CEOでした。彼にAndroidトップの座を奪われ、ロボットに専念したんですが、せっかくボストン・ダイナミクスを買収しても「軍事ロボとGoogleでは怖すぎる」と世はバッシングの嵐で、なんとも苦しい立場だったようです。

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