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元UFCファイターがボクシングで死亡 度重なるKOや闇ボクシングが原因か

6/21(水) 12:56配信

AbemaTIMES

 過去にUFCへの参戦経験もあるティム・ヘイグが、6月16日にカナダ・エドモントンで行われたボクシングの試合後に重体となり、2日後の18日に死去した。

 MMAファイターのヘイグは2011年からボクサーとしてのキャリアをスタートし3戦を戦っていたが、総合格闘技や非公式のボクシングの試合にも参戦し「慢性的にKOされていた」ことも明るみになった。

 総合格闘技の試合に30戦以上参戦してきたヘイグ、基本的には地元のカナダを主戦場としてきたが2009年のUFC98以降4度の出場を果たしている。

 UFC時代のハイライトはK-1などにも参戦したパット・バリーとの初戦での勝利、その後ナンバー大会に出場を続けるが、マット・ミトリオンに敗れ4連敗した2011年のファイトナイト以降は、WSOFのカナダ大会などに出場を続けてきた。

 そんなヘイグのボクシングの試合での不慮の死。彼が全くのボクシング素人という訳ではなかったが、ブランクの長さや実戦経験を見ると疑問符も多い。

 2011年12月にボクシング・デビューし、その後5年のブランクから昨年復帰し判定負け、そして今回のアダム・ブレイドウッド戦がキャリア3戦目。しかも対戦相手のアダム・ブレイドウッドは、WBUのチャンピオンで試合戦績は7勝1敗。WBU自体は世界的に認知度もさほど高くないマイナー団体ではあるが、実力にも大きな差があったのは明らかだ。

 映像でも試合開始序盤こそプレッシャーをかけ、ボディなどにパンチに放つヘイグの姿が見られるが、強烈な何度もブレイドウッドのパンチを浴び1Rで早々とダウン、その後もおぼつかないステップの中、似たような状況で左右顔面に強烈なパンチを浴び続けている。1Rの3分間で、明らかに3ノックダウンしている場面が見られるが試合終了間際ということで、不幸なことに2Rに突入。逃げ腰のヘイグに対して、、対戦相手が容赦なくパンチを打ち続けており、最後のKOシーンでも左右の強烈なフックを貰っている。

 試合後に病院搬送されたヘイグについて、友人のCody KrahnがFecebookなどで状況を伝えていたが、脳出血で手術を受けた後に昏睡状態になり、チーム関係者や家族が2時間後に脳死宣告を受けたという。

 カナダのCBCのインタビューに答えたヘイグのトレーナー、ライアン・フォードのコメントでも今回の試合は明らかに「ミスマッチな対戦カード」であったと指摘しており、ヘイグがパートタイムのファイターで普段は学校教師をしながらリングに上がっていたことや、ブレイドウッドとの試合でほとんどが自分を守るためのガードに終始しており「ヘイグがこのリングで戦うには相応しくないのは明らかだった」と語っている。

 MMAなどのメディアである<bloodyelbow>も、1Rの3度のノックダウンをレフェリーが見過ごしたことに疑問を呈し「明らかにヘイグは3度ダウンしていたにもかかわらず、次のラウンドまで試合は続行され致命的な4度目のKOで悲劇が起きた」と指摘。

 さらにエドモントンの競技スポーツ委員会も声明を発表し、ヘイグが2015年から2016年の11ヶ月間の8つの敗戦のうち4回の試合でKOやTKO負けを喫したこと、さらには今年の4月にMMAのグローブでの通称「スーパーボクシングマッチ」でジャレッド・キルケニーに40秒でKOされていた事実を公表。この試合はボクシングでもMMAでも公式の戦績として記録されていなかったことも明らかにした。

 あくまで事実関係を公表したリポートではあるが、ヘイグがMMAやボクシングなど様々な試合で慢性的にKOされていたことや、記録に残されていないボクシングマッチなどでもダメージを受けていたことは、この発表からも伺える。UFCなどではKOを受けた場合の選手は90日や場合によってはそれ以上の試合出場休止やトレーニングの中止を命じられることを考えても、KOから2ヶ月でのリング復帰はかなり高いリスクが伴っていたことは想像できる。

 MMAファイターがボクシング挑戦というと、コナー・マクレガーとフロイド・メイウェザーのドリームマッチが巷では盛り上がりを見せているが、スケールは違えど今後このような異種格闘マッチは増えていくことが予想される。「改めて十分にボクシングのトレーニングを受けていないファイターが、実力差のあるボクサーと対戦するべきか?」という論争のきっかけになる事件になりそうだ。

最終更新:6/21(水) 16:44
AbemaTIMES