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運航管理の指揮解明へ 米イージス艦衝突で3管

6/21(水) 6:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 米海軍イージス駆逐艦と衝突したフィリピン船籍のコンテナ船ACXクリスタルは、海運大手の日本郵船(東京都千代田区)が定期チャーター(用船)として運航していた。第3管区海上保安本部(横浜)は船主と日本郵船の双方から事情を聴き、現場レベルの運航に携わる船舶管理をどこが実質的に指揮監督していたのかを解明する方針だ。海事関係者は「コンテナ船の損害賠償責任の所在を明らかにすることにつながる」と注目している。

 コンテナ船を保有する船主は大日インベスト(神戸市)。日本郵船傘下のコンテナ船運行会社が同船を船長や乗組員付きで船主から借り、アジアと日本を結ぶ定期航路で運航していた。

 日本郵船の広報担当者は「あくまでも貨物のスケジュール管理などの配船指示を出す『定期用船者』の立場だ」と強調。「今回のコンテナ船は、船長や船員の割り当てや配置などの船舶管理業務は船主が行っている。実際に動かしている船主の責任になる」と主張する。

 定期用船した貨物船が領海内で海難事故を起こして他人に損害を与えた場合、賠償責任はどこにあるのか。その判断は難しい。

 日本郵船と対照的な見解を示すのが、船舶事故に詳しい海事補佐人会の田川俊一弁護士。「定期用船者が衝突について賠償責任がある」という。

 判例として挙げるのが、さまざまな事情を考慮して用船者が責任を負うと判断した1992年4月28日の最高裁判決。「煙突に定期用船者の会社マークを表示するなど、外観上は定期用船者の船と思わせるものであり、定期用船者が日常的に具体的に指示命令を出して航海を支配していた」。今回の事故も似たような状況にあったとみる。