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「ペリサイト」定説覆す起源発見 富山大の山本助教ら 

6/21(水) 0:45配信

北日本新聞

 血管の周りに巻き付いている「ペリサイト」という細胞は、これまで由来と考えられてきた細胞とは別に、「マクロファージ」という免疫系の細胞がもとになってできたものもあることを、富山大大学院医学薬学研究部の山本誠士助教が突き止めた。由来細胞は二つのみとされてきた生物学の定説を覆す新事実という。血管再生などの治療や創薬に役立つことが期待される。

 研究は山本助教と同研究部の笹原正清教授らが、同大や国立長寿医療研究センター、熊本大などの協力で実施。成果は20日付の英電子科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

 ペリサイトは脳血管に特に多くあり、血管の周囲に巻き付き、糖や酸素が血管の膜を通り抜けるのをコントロールする役割を持つとされる。しかし、どんな細胞が分化してできるのか分からない点が多く、これまでは間葉系細胞と神経堤(てい)細胞が分化してできたと考えられてきた。

 実験はマウスの胎児を使い、脳の発生初期段階のマクロファージを継続して観察。マクロファージは体内に侵入した細菌やがん細胞などの異物を食べ、生体を守る免疫系の細胞で、初めはマクロファージのマーカー(目印)を出していた細胞が、発達するにつれてペリサイトのマーカーを発現した。

 「卵黄嚢(のう)」という血液をつくる器官からできた、成熟したマクロファージが血管に巻き付くと、分化転換して役割が変わり、ペリサイトになるという。

 また、生まれつきマクロファージがないマウスは、脳が発生する初期の時点では通常よりペリサイトが少ないことも分かった。

 ペリサイトは安定した血管をつくるのに役立つ可能性があるとして、血管再生医療の分野で注目されている。山本助教は「研究を続けてペリサイトに関する謎を解明し、血管再生の治療や創薬につながればいい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:6/21(水) 0:45
北日本新聞