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72年の時を超え帰った手帳 「伯父の遺品をありがとう」 沖縄戦で入手か、米国人が大切に保管

6/21(水) 5:00配信

沖縄タイムス

 沖縄戦で戦闘中に亡くなった南城市玉城出身の故仲村渠傳太(なかんだかり・でんた)さんの軍隊手帳を所有していたロバート・フランツさん(91)=米アラスカ州=から、遺族でおいの仲村伝助さん(78)=南城市玉城百名=への手帳返還式が20日、同市役所大里庁舎であった。仲村さんはスカイプでフランツさんと対談。戦後72年の時を経て、仲村さんは返還された遺品を手に「伯父の遺品が戻ってきて感激している」と礼を述べた。

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 フランツさんによると、手帳は1962年ごろに友人から譲り受けた。友人は沖縄戦に従軍していた別の友人から受け取ったと話しており、沖縄で手に入れたものとみられるという。

 その後、フランツさんは自宅のタンスで大切に保管。「遺族の元に返そう」と、日系である友人のブライアン・ヤマモトさんに相談した。ヤマモトさんも日本語が読めず、沖縄在住の友人で、編集者のいのうえちずさんに相談。軍隊手帳の画像をメールで送った。

 手帳には「仲村渠傳太」の名前と「玉城村字玉城」の住所が記載されていたことから、いのうえさんは市に遺族を捜索できるか依頼。市はおいの仲村さんを探し当て、仲村さんも伯父であると確認した。遺族が特定されたため、フランツさんは仲村さんに手帳を返すことを決めた。

 返還式で行われたスカイプでの対談で、フランツさんは「日本人は家族を大切にすることを知っており、返還のお手伝いができて本当に幸せだ」と述べた。仲村さんは「長い間きれいに保管してくれてありがとう」と礼を述べ、「穏やかだった伯父の貴重な遺品が戻ってきてうれしい」と喜んだ。

 山城馨教育長は「関係者の思いと善意が実を結んだ。慰霊の日を前に、無事に遺族へ返還することができてよかった」と話した。

最終更新:6/21(水) 12:35
沖縄タイムス