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命を守る建築用語 漢字ばっかりだからって逃げちゃダメだ 「新耐震」の意味、知ってる? 熊本地震では…

6/25(日) 7:00配信

withnews

 地震の備えで大事なものって何でしょう。避難訓練や非常袋も大切ですが、そもそも家がつぶれたら元も子もありません。「うちは耐震基準、大丈夫なんで!」という人。実は、自治体からOKと見なされている家でも、けっこう危ないかもしれません。熊本地震では、実際、OKだったはずの家の被害が相次ぎました。漢字ばかりで専門用語満載の建築制度ですが、ことは命に関わります。要注意の「耐震基準」について解説します。(朝日新聞社会部記者・赤井陽介)

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安全なはずだけど安全じゃない?

「新耐震」という用語があります。地震に対しての住宅の強さを示す言葉です。

 ざっくり言うと、「壁の量をしっかり増やして『震度6強~7でも倒壊しない』家の基準」です。

 1981年に義務化されました。それ以前の壁の量が少ない基準でよかった時の「旧耐震」と区別するために「新耐震」と呼ばれています。

「新耐震」がつぶれた阪神大震災

 「震度6強~7でも倒壊しない」。これなら安心です。でも思い出してください。1995年に起きた阪神大震災。倒壊した住宅の写真が今も記憶に残ります。

 あれ? 1981年の「新耐震」義務化から15年です。全部じゃないにしても、それなりに「新耐震」の家があったはず……。なのに、何であんなにあっけなく倒壊したのでしょう?

けっこう大ざっぱだった

 実は、この「新耐震」。けっこう大まかな基準しか決められていなかったのです。

 「壁をたっぷり使って強く作れ」とはなっていたものの、例えば壁の配置バランス(かたっぽだけに壁がいっぱいあって、片っぽは大きな窓や縁側でがら空き、みたいなパターン)は明記していませんでした。

 柱と土台の建材とかをつなぐところを、「金具でここまでがっちり補強してくれ」ということもはっきり書いていませんでした。
 
 それでも3階建て以上になると、構造計算書というものを行政機関に提出しなければいけないので、あまりにも偏った作りだとそこでひっかかるのですが……かくして、1981~2000年の2階建て以下木造住宅は、役所側からすれば「安全です」という扱いなのに、実際の大地震には弱いかもしれない状態だったのです。

 阪神大震災の経験によって2000年6月、つなぎめ部分の基準などがきっちり決められました。

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最終更新:6/25(日) 7:00
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