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大洗研被ばく 規制委、立ち入り検査 機構の資質問題視

6/22(木) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(大洗町成田町)の被ばく事故で、原子力規制委員会は21日、原子炉等規制法に基づく立ち入り検査を行った。事故があった燃料研究棟で放射性物質が入った貯蔵容器の保管状況や、2月から始めた貯蔵容器の中を確認する手順や作業計画書などを確認した。作業方法や安全確保体制、事故後の対応に多くの問題があると判断し、異例の立ち入り検査実施を決めた。規制委の田中俊一委員長は「機構はあまりにもトラブルを起こしすぎている。安全確保に対する資質の問題もある」とし、徹底的な調査を指示した。

規制委は同日午前の定例会合で検査の実施を決定。午後1時35分から同6時まで、原子力規制庁本庁と東海・大洗原子力規制事務所の保安検査官計4人が作業計画や検査記録などの資料を確認し、機構職員からの聞き取りを実施した。

規制庁によると、事故前の作業で半面マスクが顔に密着しているかを作業員同士で確認せず、マスク内が密閉されているかを確認する機器も使っていなかったという。

除染や汚染検査をする簡易な部屋の設置訓練をしていなかったことも確認。作業の具体的な手順や放射性物質の移動などの計画もなかった。規制庁の担当者は「現時点で何かに違反するという結論は出していない。資料を分析し、検査を続けて確認する」と述べるにとどめた。今後も立ち入り検査する方針。

検査終了後、同センターの浅野智宏副所長は「重く受け止めている。今後も規制庁の調査や検査に誠実に対応していく」と語った。

規制委は午前中の定例会合で、(1)事故のあった作業台の本来の使用目的が汚染検査だったのに、容器内部の確認作業が行われた(2)密閉性のある「グローブボックス」が設置されていたのに使わなかった(3)作業員が事故後退出するまでに3時間以上かかった-ことに、それぞれ疑問があるとして当時の状況確認を規制庁に求めた。

定例会見で田中委員長は「プルトニウムを扱う上での手順や考えが欠けている。機構は日本の原子力利用の模範生であるべきだが、逆になっている」と批判し、「今回の事故はいろんな問題が根っこにある」として、事故原因の調査を厳しく行う方針を示した。 (高岡健作、戸島大樹)

茨城新聞社