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若手が潰れていく巨人育成システムの“構造的欠陥”

6/22(木) 11:01配信

東スポWeb

【検証巨人軍 盟主は復活できるか(2)】広島や阪神、日本ハムやソフトバンクには生きのいい若手がいるのに、なぜ巨人からは誰も出てこないのか。球団の環境、育成システムに“構造的欠陥”でもあるのか、と改めて思わせたのが巨人から日本ハムへトレードされ今年、大暴れしている大田泰示である。

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 巨人では8年間「未完の大器」と言われ続けた選手が、日本ハムに移籍するや、東京ドームでの1試合2本塁打などの大活躍で一軍でスタメンに定着。お立ち台で「ファイターズ最高!」と大声で叫ぶパフォーマンスも実にサマになっている。

 巨人時代、大田が努力していなかったわけではない。関東で一軍の試合に出場する日は、午前中に内田巡回打撃コーチの下、ジャイアンツ球場でみっちり打ち込みをしていた。が、肝心の試合になると、代打で出場し、金縛りにあったように見逃し三振。そんな選手が移籍しただけで変わった理由は何か。日本ハムの関係者がこう指摘する。

「大田の場合、巨人では相当プレッシャーがきつかったようですね。一軍に行くには、まず二軍で結果を出せと言われる。それでやっと一軍に上がったら、今度は親会社のお偉いさんの目も光っている。せっかくドラフト1位で獲ったのに、8年もたってまだその程度かと、そんな声が嫌でも耳に入るらしいんですよ」

 その点、日本ハムでは「野球を楽しめ」と言われる。おかげでガラリと変わった好例が、2006年に巨人から日本ハムへ移籍、のちに大リーグでも活躍した岡島だ。

 巨人時代、岡島のストレスになっていたのは、ベンチの首脳陣の声だという。ボールが先行するたび、長嶋監督や原監督が「ああーっ!」と大声を上げて天を仰ぐのだ。が、日本ハムのヒルマン監督は逆に「エンジョイ(楽しめ)」と励ました。これが大きかったと岡島の家族も証言している。

 広島のチーム関係者にも、こんな話を聞いた。

「巨人では年々、大田ら伸び悩んでいる若手の顔つきが暗くなっていくのがよくわかる。若い選手は、周囲の視線が厳しくなると自然に顔や態度に出ますからね。その点、ウチは8年目の堂林も、10年目の安部も、指導者が、もっと頑張れるだろ、もっとやれるだろ、という姿勢で接してる。この差は小さいようで、結構大きいと思います」

 結果を求める指導者にストレスを感じ、能力を発揮できない選手。この関係は、先日解任された堤前GMが、連日親会社の首脳に電話で責められていた構図と似ている。

 しかし、そんな巨人にも昔、短いながらも生え抜きの若手を続々と輩出した時期があったのだ。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大学卒。毎週金曜朝8時、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!日本全国8時です」にレギュラー出演中。「すごい!広島カープ」(PHP文庫)が2万部突破。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。今夏、新作刊行予定。

最終更新:6/22(木) 12:35
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