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芸人の真価が問われる「生」がいま熱い テレビとは異なる魅力がクセになる

6/22(木) 17:40配信

THE PAGE

 ネット時代の到来とともにテレビ離れが加速したといわれる昨今、生ならではの臨場感を体感できるライブ・エンタメ市場が好調だ。ぴあ総研が調査・編集を担当し毎年発表している『ライブ・エンタテインメント白書』でも、昨年まで4年連続でライブ・エンタメ市場規模が過去最高を記録。5年連続も手堅そうな気配だ。そんな中、お笑いライブも順調な様子。一時はテレビ主導であるかのように見えたお笑いも、やはり基本はライブステージということか。生を大事にする芸人・タレントが人気を集めているようだ。

テレビに出演する一方、ライブも大切にする芸人たち

 ひとくちにライブを基軸にする芸人といっても数多いが、テレビ番組への露出も多い一方で、毎年行うノンストップライブが話題なのが爆笑問題。2017年度版のDVD『爆笑問題のツーショット』が6月21日にリリースされたばかりだ。2016年度を総括した60分越えのノンストップ漫才を、ライブ形式で完全収録。しゃべりをミスしたシーンも、流れを重視してそのままノンストップで収録しており、テレビ番組では伝えることのできないライブ感が人気を集めている。

 また、毎年ライブツアーを開催する中、今年は結成20年目を迎えロンドン公演も行うというのがサンドウィッチマン。全国8都市16公演のチケットは1カ所を除いて、すでに完売という人気ぶりだ。ネタ好きを公言し、「好きなことができるのが単独ライブ」(富澤たけし)、「板の上を大事にしたいなという思いはずっとある」(伊達みきお)と過去、メディアなどで語ってきた2人。地道な活動が実を結んでいるようだ。

単独ライブは、人気のバロメーター テレビで観られないネタも

 もちろん、ほかにも多数の芸人がライブを基軸に活動するが、テレビ番組はじめさまざまなメディアに露出し活躍していても、なおライブを大事にする理由はどの辺りにあるのだろうか。ネット時代になり、テレビも出演料が右肩下がりといわれるが、それでも有名どころならかなりのギャラは稼げるはずなのだが……。エンタメ情報メディアの50代男性編集者は語る。

 「単独ライブは、人気のバロメーター。その芸人だけを見にチケット代を払ってくれる客がどれだけいるか、真価が問われるんです。サンドウィッチマンなどは、はっきり『テレビ露出は単独ライブを満員にするためのPR』と言っているぐらいですよ。芸人にとってもやり甲斐のある、モチベーションを高く持てる、それがライブです」

 また、動員だけではなく、”芸”自体の真価も問われるという。民放放送局の40代プロデューサーはテレビ番組ならではの事情を明かす。

 「テレビの場合、どうしても芸人さんにテンポのいいネタを求める傾向があるんですよね。時間も短く限られていますしね。でも、ライブならそんなに伝わらないネタでもちょっとやっちゃおうかって芸人さんもいると思う。そこで、テレビで観たときみたいにテンポのいいネタばかりじゃないから、『ん?』と思う人もいれば、逆にそういうのが新鮮で好きになる人もいるんでしょうね」

 どちらが上か下かというよりも、性質の違いということだろうか。

 一方で、時代背景をあげるのはテレビ情報誌の40代女性ライター。

 「昔はトーク番組はそんなになくて、芸人がテレビに出るならコント番組という時代がありましたよね。でもいまは、いざテレビに出るときにそういう番組がないんですよ。それで、いざデビューできても戸惑いを感じている芸人もいます。お笑いに限ったことではなく音楽などもそうですが、テレビに露出するとしたら、『この人、気になるから生で観たいな』と思わせる露出の仕方を考えないとダメですね」

 いずれにしても、安くないチケット代を払って観にきてくれるファンを喜ばせるには、知名度はもちろんのこと、しっかりとした芸の実力が必要ということか。

(文・志和浩司)

最終更新:6/27(火) 6:10
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