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福島の苦難、訴え 古河出身・篠原さんの戯曲

6/22(木) 7:00配信

茨城新聞クロスアイ

東日本大震災と原発事故で避難を余儀なくされた福島県の人々を描いた戯曲「空の村号」が30日、つくば市竹園のつくば子ども劇場で上演される。作者は古河市出身の劇作家、篠原久美子さん(56)。震災後に訪れた飯舘村をモデルに、村を離れなければならない人々の姿を書き上げた。篠原さんは、「誰かがこんなに悲しむ原発をやめられない社会をみんなで考えたい」と話す。

「空の村号」は、「福島の美しい里山」が舞台のフィクション。酪農家の長男で小学生の「空」の視点で、原発事故に翻弄(ほんろう)される家族や友人の姿がリアルに描かれている。

空の父は毎日牛の乳を搾っては捨ててを繰り返し、母は子どもだけでも東京へ避難させようと考えるが、夫と口論するようになった-。

篠原さんは「(被災者の気持ちを)言葉にする支援ができるかもしれない」と2011年にボランティアで飯舘村を訪れ、住人らから聞いた話を、ほぼそのまま物語化した。

篠原さんは「(原発は)政治と絡まずには話せないが、シンプルに、誰かがこんなに苦しんでいることで自分の生活がちょっとくらい便利になっても、幸せではない」と作品を通して訴える。

作品は、12年に執筆され、13年に斎田喬戯曲賞を受賞。現在まで全国165カ所で公演されている。つくば子ども劇場での公演は午後7~8時15分。同劇場の会員になると見ることができる。問い合わせは同劇場(電)029(852)9134。平日午前10時~午後3時。

(鈴木里未)

茨城新聞社