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準天頂衛星、高精細3Dマップを活用した自動運転技術を体験…METoA Ginza 開催中

6/22(木) 12:56配信

レスポンス

自動運転について、ドライバーの介在を前提にしたレベル3までは、これまでのADAS技術の延長で実現の可能性は見えている。完全無人のレベル4も対応エリアを高速道路や施設内に絞ればかなり見えてきている状態だ。

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しかし、レベル3をレベル4に持っていくため、レベル4を完成させ5に持っていくために必要な技術として、準天頂衛星による高精度な位置情報、そして道路の高精細3Dマップがある。この2つ技術が確立すればレベル4の完成、レベル5の実現というわけではないが、その段階に必要な技術であることは間違いないだろう。

そしてこの2つの技術を体験できるイベント、「Feel the Communication in Ginza - 心までつながる、先進コミュニケーション技術」が、東京の東急プラザ銀座内の「METoA Ginza」にて開催されている。期間は6月21日から10月13日までとなっている。入場は無料。

イベントは先進コミュニケーション技術の体験型ショールーム、プチテーマパークといったほうがいいかもしれない。アトラクションのひとつに、ADAS技術、自動運転技術を搭載し、各種センサー、通信技術によって移動だけでなくドライバーや歩行者や社会とコミュニケーションできるコンセプトカー「EMIRAI3 xDAS」と関連技術の体験コーナーがあるというわけだ。

順に展示スペースを紹介していこう。イベントは建物の1階から3階までを使って行われる。入り口となる1階エントランスには、コミュニケーションを形にするというコンセプトの「シンボルオブジェクト」が設置され、来場者を向かえる。53台のタブレットが空中に円錐曲線状に配置され、ウェルカムメッセージ、来場者の動きに合わせて画面が変化する。またMEToAのサイトにアクセスして表示されるQRコードをかざせば、さらに対話が広がる。

1階にはカフェスペースも設置され、イベントに合わせたスイーツも楽しめる。

エレベータで2階に上がると「アニメーションライティング誘導システム」が降りる方向やグラフィックによる演出を床に表示してくれる。カラフルなモザイク模様が床やエレベータ内を演出し、クリアな矢印やメッセージが床に表示される。乗るときもエレベータのドアにグラフィックを表示して待ち時間を楽しませてくれたり、到着を知らせてくれるメッセージも表示できる。

2階のメイン展示は、来場者がアバターになって未来を疑似体験する「Into the future」だ。展示スペースに設置された64面のスクリーンには、イベントで紹介している技術が展開される未来の街が再現されている。来場者は撮影ブースで顔写真をキャプチャーしてアバターをスクリーン上の未来の街を散策する。アバターは男女、大人、子供の4種類を指定すると、服装や髪形はランダムに選んでくれる。

3階の展示は、「空中ディスプレイ」と「しゃべりがき描きUI」、そして「自動運転技術」「xDAS」の4つとなっている。空中ディスプレイはホログラム技術を利用した空中への立体投影だ。来場者は自分の映像を立体投影できる。しゃべり描きUIは、タブレットに向かってしゃべった言葉を画面になぞると文字として表示する筆談アプリケーションだ。翻訳機能もついているので、外国人とのコミュニケーションに利用できる。会話を翻訳再生するのではなく、あえて画面に表示させることでチャットとは違った手軽な「筆談」が可能。

自動運転技術のコーナーは、準天頂衛星によって可能となるナビ機能や自動運転に関する機能の展示と、高精細3次元マップに関する技術の展示が行われる。準天頂衛星は年内にあと2機が打ち上げられる予定で、2018年4月には4機体制で本格的なサービスが開始される予定だ。これによって、GPSの精度がメートル単位からセンチメートル単位となる。また、ほぼ天頂からの測位電波を受信しやすくなり、高層ビル群の中でも電波の干渉や反射の影響が抑えられる。衛星電波だけで(地図情報での補正なしで)、ビル群の中の車線位置の特定も不可能ではないとされる。

ビル群や狭い路地で駐車場をさがしているうちに自車位置をロストしてよけい道に迷うといったことが避けられる。車線位置の特定が確実になれば、より詳細なナビゲーションや誘導も可能になる。さらに、車車間通信、路車間通信(V2X)を組み合わせれば、交差点、見通しの効かない交差点での衝突回避に応用できる。

展示では高精度の自動運転実験の画像をVR体験できるコーナーもある。開けた場所ではあるが、パイロンによるほぼ車幅分しかない屈曲コースを自動運転で難なくクリアする実験画像などが体験できる。平面駐車場なら全自動のバレーパーキングにも応用可能だろう。

三菱電機では、準天頂衛星に対応した高精度ロケーター(GPS受信アンテナモジュール)を開発している。準天頂衛星のサービスインにあわせて、準天頂衛星(QZSS)に対応したDIATONE SOUND.NAVIも開発中だという。このナビでは、右左折の指示に加えて車線変更を指示してくれたり、車線の多い交差点や高速道路のインターチェンジ、ジャンクションなどでは車線位置を示した詳細ガイド画面などが提供される予定だ。

高精細3Dマップは、レベル4自動運転実現には不可欠とされている技術のひとつだ。路面の凹凸・高低差、路肩の段差・形状、車線や中央分離帯の有無など多くの情報を3Dスキャナーによって高精細な点群データを取得する。このようなデータがあれば、霧などでカメラが機能しないとき、雪で路面が埋まっているとき、などでも制御情報を補うことができる。三菱電機は、6月13日に設立が発表されたDMP(ダイナミックマップ企画)のメンバー企業のひとつであり、高性能な3Dスキャナーを搭載した車を走らせて、路面データの計測・収集を行っている。

以上で紹介した技術と先進のセンサー技術は「EMIRAI3 xDAS」コンセプトカーに集約されている。準天頂衛星や高精細3Dマップを利用した高度な自動運転が可能になり、センサー技術と路面ライティング技術を駆使することで、ドライバーの体調管理を行ったり、歩行者にメッセージやガイドを表示したりできる車だ。

これらは、展示車両とVR体験で全体像をつかむことができる。自動運転コーナーで展示されていたような、車線位置まで指定する詳細なナビゲーション、周辺情報の表示、ヘッドアップディスプレイによるマルチファンクションなルートガイドや警告表示。歩行者に横断を促す路面ガイド表示、ドア開閉を警告する路面標示などだ。

xDASに関する技術と展示は、今年の東京モーターショーにはさらに進化、バージョンアップされたものが公開される予定だという。

《レスポンス 中尾真二》

最終更新:6/22(木) 12:56
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