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重労働なのに日当はたったの500円程度 セイロン茶畑の未だ存在する差別

7/5(水) 14:10配信

THE PAGE

 スリランカといえば、紅茶好きならまず思い浮かべるのがセイロンティー。セイロンとは、1972年に英連邦内自治領から完全独立するまでのこの国の国名だ。1800年代半ばにイギリス人によってこの国にもたらされた茶の栽培だが、今や世界有数の生産量を誇る。

フォトジャーナル<スリランカの旅>- 高橋邦典 第47回

 中部の丘陵地帯は、初夏になると茶畑が瑞々しい緑に輝く。朝靄が晴れる頃、茶摘みのために女性たちがぞろぞろと仲間同士でやって来た。この仕事、なかなかの重労働である。高地とはいえ、陽が高くなるとかなりの暑さだ。徐々に重くなっていく荷を背負いながら、照りつける陽のもと休むことなく摘続ける。

 働く女性たちは皆タミル人。北部に多く住む、ヒンドゥー教徒の民族だ。彼らはスリランカ社会では少数派の下級労働階級。多数派で仏教徒のシンハラ人たちから見下されてきた。

 内戦が終わり、新たに経済発展の道を歩み始めた今もタミル人たちに対する偏見は根強く、低賃金労働に従事する者が多い。茶畑の女性たちにしても、20キロもの茶葉を積んで、日当はたったの500円ほどに過ぎない。そんなセイロンティーも、箱詰めされて店に出るときには100グラムで2000~3000円の値がつけられる。

 紅茶に限らず、ブランド衣類や携帯電話に至るまで、我々が消費する商品の陰には、いつもこんな人間たちの存在があるのだ。

(2015年7月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォトジャーナル<スリランカの旅>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:7/11(火) 6:07
THE PAGE