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世界ALSデーに「ギフト」ジャパンプレミア開催、日本のALS患者と交流

6/22(木) 11:10配信

映画ナタリー

世界ALSデーの6月21日に「ギフト 僕がきみに残せるもの」のジャパンプレミア試写会が東京・なかのZERO小ホールで行われた。

【写真】「ギフト 僕がきみに残せるもの」ポスタービジュアル(他13枚)

本作は、筋肉への伝達機能が徐々に失われ歩行や会話、呼吸ができなくなる病気・筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した元NFL選手スティーヴ・グリーソンのビデオダイアリーをもとにした記録映画。イベントにはグリーソンの妻で本作にも出演するミシェル・ヴァリスコや日本のALS患者らが登壇した。

まずグリーソンの現在の状況を問われたミシェルは「非常に元気です。スティーヴがやりたいと思うことをほとんどできていると思う。グループになって介護をしているため、私も自分の時間や息子との時間をとれるようになりました」と語る。さらにグリーソンがビデオダイアリーを始めるきっかけとなった息子リヴァースについて「もう5歳になりました。今は野球をやっています」と近況を報告。するとMCから「アメフトではないんですね!」ツッコミが入り、会場には笑いが起こる。

続いてALS患者が本作に対する感想を口文字で語る一幕も。日本ALS協会の橋本操氏は「この映画を医学部の教科書にしてほしい」と絶賛。同じ協会の酒井ひとみ氏は「この映画で描かれていることは、私の家で起きていることに似ています。クスッと笑ってしまうことや、深刻な出来事が交じっていて。次はぜひスティーヴさんにも会いたい」と語ると、ミシェルは「東京オリンピックのときに連れてくるわ」と笑顔で約束した。

さらに壇上には、ALS患者やその周囲の人々のQOL(生活の質)向上を目指しコンテンツ開発・支援活動を実施する団体WITH ALSの代表・武藤将胤氏の姿も。「すべての人に表現の自由を届けたい」と語る武藤氏は、ALS患者が発症後も正常に動きを保つことができる眼球の動きに着目し、メガネブランドのJINSとコラボして「JINS MEME BRIDGE Platform」の開発を行う。これはメガネとスマートフォンをBluetoothで接続し、瞬きや視線移動によって身の回りのデバイスを動かせるサービス。「音楽が大好き」という武藤自身、ALSが発症して腕を動かせなくなってからも、DJのターンテーブルを「JINS MEME」を使い、眼で回しているという。

ALSは、小山宙哉によるマンガ「宇宙兄弟」とも関わりが。本作に登場するせりかはALSで父を亡くし、治療方法を見つけるため宇宙飛行士となったキャラクター。彼女にちなみ、ALSの研究開発費を集める活動を行う「せりか基金 宇宙兄弟ALSプロジェクト」が立ち上げられた。イベントの後半には、「宇宙兄弟」のイメージソング「あと一歩」を歌う音楽ユニット・カサリンチュのライブも。曲が始まると会場からは自然と手拍子が起こっていた。

最後にミシェルは「ALSに対する理解を深め、より認知を広めるためにこの映画はできました。今日鑑賞していただいた方は、ぜひ周囲の人々にこの病気のことを伝えていってほしい」と挨拶。日本ALS協会の会長・岡部宏生氏は「本当によい映画を作ってくださってありがとうございます。宣伝しまくります!」と口文字で語りイベントは終了した。

「ギフト 僕がきみに残せるもの」は、8月19日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。



(c) 2016 Dear Rivers, LLC

最終更新:6/22(木) 11:12
映画ナタリー