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アディダスも採用を決めた量産型3Dプリンティング技術、日本で披露

6/22(木) 6:40配信

MONOist

 米国の3DプリンタベンチャーのCarbonは「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21~23日、東京ビッグサイト)のディーメックブースに出展。引き上げ式の光硬化樹脂型の新方式3Dプリンティング技術「CLIP」によるサンプルなどを紹介した。

【CarbonのDLSプロセスの基本的な構造などの画像】

 Carbonは、3Dプリンタ本体や3Dプリンタで用いる材料の開発や製造、販売を手掛けるベンチャー企業だ。創業者たちは高分子化学の研究者で、2013年に創業。独自の造形技術「CLIP(Continuous Liquid Interface Production)」を活用した独自プロセス「DLS (Digital Light Synthesis)」による3Dプリンタを開発した 。既に同技術採用の3Dプリンタ「M1」と「M2」の2機種を開発し、米国では2016年から販売を開始。

 2017年4月にはドイツのスポーツメーカーアディダスと提携し、同技術を使って生産したソールを採用した3Dプリントシューズ「Futurecraft 4D」を2018年末までに10万足作ることを発表している。DMS2017では、この「Futurecraft 4D」のソールのサンプルと共に、さまざまな素材でのサンプルを出展した。

●CLIP技術によるDLSプロセス

 DLSプロセスは、CLIP技術と液状樹脂技術によって構成される。酸素透過性光学系の組み合わせでデジタルライトプロジェクション技術を使用する。基本的には光硬化樹脂を使って成形を行うが、従来の手法では添加剤で弱く脆い部分が生まれてしまう弱点があった。Carbonでは、第2の熱活性化素材を材料に組み込むことでこれを克服し、エンジニアリンググレードの機械的性質を持つ高分解能製品を造形できるようにしたという。

 CLIPは光と酸素のバランスを保ちながら素早く部品を生産する光化学プロセスである。酸素透過性の窓を通って、光をUV硬化樹脂に投射することにより固め、プラットフォームを徐々に引き上げていく形で成形していくという仕組みである。成形したパーツは最終的に高温で焼き、二次的な化学反応を引き起こすことで強度などを実現する。

 CLIPを用いることで、従来の3Dプリント方式よりも造形速度が向上する他、造形物の剛性や機械特性、表面の平滑性も引き上げられるという。

 Carbonには日本企業ではニコンとJSRが出資しており、今回はこの2社が中心となり、DMS2017での反応を得て日本での展開を検討していくという。ブース担当者は「とにかく圧倒的に早くきれいに造形できるということがCarbonの技術の特徴だ。将来的には3Dプリンタによる量産に活用できる技術だと考えている。日本での展開については具体的なものは何も決まっていないが、さまざまな用途で活用できると考えている。市場性を探り早期に日本での展開をしていきたい」と述べている。

最終更新:6/22(木) 6:40
MONOist