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カシオの2.5Dプリントは「デジタルシート」に、「表面形状の試作に最適」

6/22(木) 12:10配信

MONOist

 カシオ計算機は、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21~23日、東京ビッグサイト)において、独自の印刷技術によって凹凸を持ったシートを出力できる「デジタルシート」を展示した。同年7月から販売を始める計画だ。

【「デジタルシート」の凹凸を横からみた状態】

 同社は前回のDMS2016で「2.5Dプリントテクノロジー」を出展している(関連記事:カシオから2.5Dプリンタ、紙の表面に微妙な凹凸を再現)。2.5Dプリントテクノロジーは、シートの表面に凹凸を付けてカラー印刷することによって、独特の触感を表現できる印刷物を作成することができる技術。専用シートに塗布した熱膨張性マイクロカプセルを近赤外線で加熱により発泡させることで、シート表面に凸部を形成することができる。これによって、シートの表面にさまざまな凹凸の形状があるかのような触感を得られるというわけだ。シート表面の凸部の高さは、最小で0.1mmから最大1.7mmまで制御できる。

 今回の展示は、技術面では前回の2.5Dプリントテクノロジーとほぼ変わらない。しかし、出力物である凹凸を持ったシートをデジタルシートとして主役にした点が異なっている。「モノを成形していく過程で最も重視されているのは、そのモノの表面の表現だ。デジタルシートを使えば、大きな差異化のポイントになっている表面形状や手触り、触感の試作プロセスを、より早く、短時間かつ低価格で行える」(カシオ計算機の説明員)という。

 DMS2016ではシートは紙だけだったが、自動車業界の来場者から「樹脂シートが使えればもっと使い道が広がるだろう」という意見を受けて、今回はPET素材のシートも用意した。現時点でPETシートの場合は、凸部の高さが最小で0.1mmから最大0.8mmだが、「最大2.5mmが可能なシートも開発中」(同説明員)だ。また、一定の耐久性を付与する開発も検討しており、表面加工の少量多品種生産用途まで視野に入れている。

 7月に発売するデジタルシートのプリンタは、印刷機や赤外線照射を行うフォーマー、制御用のPC、表示用ディスプレイなどが一体になったオールインワン機で、価格は500万円。出力サイズはA3とA4の2種類。「A0サイズの需要もあり、開発課題として検討していきたい」(同説明員)としている。

最終更新:6/22(木) 12:10
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