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かつて「怪物」と呼ばれた松坂は、このまま「引退」するのか

6/22(木) 12:44配信

ITmedia ビジネスオンライン

 すっかり音沙汰がなくなってしまった。福岡ソフトバンクホークス、松坂大輔投手のことである。

【チーム関係者からは不満の声も】

 右肩痛で現在も福岡県筑後市のファーム施設でリハビリを継続中。依然としてボールが投げられずにノースロー調整を強いられており、室内でウエイトトレーニングなどを行う以外、投手としての練習は再開できていない。

 定期的に数日間ほど筑後を離れて関東近郊まで出向き、腕利きの整体師のもとを訪れ、懸命に患部の治療を行っているとも聞く。だが残念ながら劇的な回復には至っておらず、実戦復帰おろか投球練習再開のメドすら立たない。

 一軍は6月22日に全日程を終了したばかりの交流戦で3年連続7度目の最高勝率チームになった。パ・リーグ順位も首位とわずか1.5ゲーム差の2位。それでも先発投手陣に故障者が相次いでいることから、決して磐石とは言えない。一軍が先発不足にあえいでいるにもかかわらず、このタイミングでまたしてもコンディション不良に陥ってしまった松坂にはどうしても「一体、何のためにいるのか」と嘆きたくなってしまう。

 開幕早々に左ひじの張りを訴え、登録抹消となった和田毅投手に代わり、松坂には一軍昇格を果たすチャンスが舞い込んでいた。ところが4月12日、右肩の違和感を覚えてから、そのすべては白紙に戻されてしまった。

 今季は開幕ローテこそ逃したものの3月25日のオープン戦で昨季セ・リーグ王者、広島東洋カープの強力打線を相手に7回を無安打に抑える快投を見せていた。それだけにファンの期待は大きかったが、まるでここ数年の“恒例行事”のように戦線離脱が明らかになると一変。ネット上でも「はい、今年も終了。お疲れさまでした」「このままずっと給料泥棒を続ける気なのか」などといった辛らつな書き込みばかりで埋め尽くされていた。無理もあるまい。

●“不良債権”と化している

 ホークスとの契約は3年12億円。今季は3年目で契約最終シーズンだが、一部で球団との4年契約説もささやかれている。しかしながら、もしこのまま今季一軍未登板で終わるならば普通に考えて松坂に来季はない。

 2015年の日本復帰1年目は右肩の内視鏡手術を受けた影響もあって一軍登録はなし。2016年の2年目はシーズン最終戦でやっと一軍登板を果たしたものの、東北楽天ゴールデンイーグルスを相手にリリーフで1イニングを3安打4四死球1暴投で5失点と大炎上してしまった。ここまでまったく戦力となっていない上、これだけの高年俸をもらい続けている松坂はチームにとって完全な“不良債権”と化している。

 では、その“不良債権”は完済可能なのか。残念ながら、さすがに厳しいだろう。もう6月も終わりを迎えようとしている今、シーズンも残り半分の約3カ月しかない。もし奇跡的に急ピッチで松坂のコンディションが上向きになり、どんなにがんばったとしても二軍での登板を経てからの一軍復帰登板は最短でも8月以降。ここから投げる全試合で誰もが驚嘆するぐらいの完ぺきな内容を残し続けない限り、批判はそう簡単に治まらないと思う。

 いや、これもあくまで超楽観的な見方でしかない。実はホークスの中でも松坂については「おそらく今年も一軍で結果を残すのは厳しいだろう」と復活を諦める見解が大勢を占めている。我慢に我慢を重ねてできる限りポジティブにとらえようとしていた球団関係者たちもいよいよ限界が近付き、いつまで経ってもパッとしない松坂を見放そうとしつつある。

 実際に現場からも厳しい意見が出ている。VIP待遇で実に2年半もロクに仕事をしていない「元怪物」に内心でいら立ちを覚えている関係者、そして選手も少なくない。チーム関係者は次のように本音を漏らす。

●決断しなければいけない

 「厳しい言い方だが、4月の段階で右肩痛を再発させたことで大輔の選手寿命は風前の灯となってしまった。今シーズン中に今の状態からコンディションを完ぺきに回復させることは、まず無理。もちろん時間を長く費やせば、また右肩の痛みは段々と沈静化していくはず。ただ完治は難しい。そうすると少しでも無理強いすれば、右肩痛は再発する可能性が高い。

 このような状態を繰り返していると、投手としては致命的だ。彼が3年契約なのか、それとも裏で4年契約なのかは知らないが、そんなことはもうどうでもいい。もういい加減、現役に固執することはやめるべきだろう。決断しなければならない時が迫っているのではないか」 

 事実上の「引退勧告」と言っていいだろう。身内からの爆弾発言とはいえ、残念なことに現在の松坂には反論する資格はないに等しい。

 つい最近、松坂に関するニュースで話題になったのはグラウンド外の出来事。2017年3月に福岡市内の大濠公園そばに建てられた超高級マンションの一室を個人事務所名義でポンと3億6000万円を払って購入したことが判明し、一部メディアによって報じられた。今後もしばらくホークスで現役を続けることを見込んでの動きなのかは分からない。ただし、松坂の現役続行の道は確実に日を追うごとに狭まってきている。

 松坂を西武ライオンズ時代から知る関係者も「晩節を汚す前に潔く決断する勇気も必要」とそれまで飲み込みかけていた本音を吐露し、こう続けた。

●松坂の置かれた立場

 「大輔は引き際を見誤りましたね。結果論ではなく、理想は米国で現役を終えるべきだった。ニューヨーク・メッツでプレーした2014年のシーズン終了後、FAとなりましたが、あそこで引退したほうがキレイだったように思います。

 その後、ソフトバンクから高額オファーを受けて日本復帰を果たしましたが、彼の中には『メジャーは無理でも日本ならば、何とかまだやれるんじゃないか』という感じでメジャーリーグより日本プロ野球を格下に見る向きが心のどこかにあったのではないでしょうか。

 日本復帰後は右肩が万全でないこともあって、かつてのダイナミックなフォームが崩れて手投げ“”のようになってしまっている。いずれにしても、3年前に出した(日本復帰の)決断が今の結果につながっているわけですからね。ボロボロになってしまった今の大輔は見ていて悲しいです」

 引退を決断するのか、それともあくまでも奇跡の復活を追い求め続けて現役続行の道を選ぶのか――。周辺で後者の支持率が急速に下がっている現状を考えれば、松坂の置かれた立場はますます悪くなっている。

(臼北信行)