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純烈、スーパー銭湯は“故郷” 結成10周年の“勝負の年”に目指せ「紅白」

6/25(日) 8:10配信

オリコン

 このところワイドショー等をたびたび賑わせている歌謡コーラスグループ・純烈。昭和の香り漂うムード歌謡を「歌って踊る」という独自のスタイルで、日本全国のスーパー銭湯の大広間を熱狂させている“スーパー銭湯アイドル”だ。かつて「仮面ライダー」や「スーパー戦隊シリーズ」のメインを張っていた俳優たちを中心に、今年で結成10年。その経歴からもわかるように高身長で端正なルックスを備えつつも、演歌・歌謡曲の世界で認められるまでには苦難の道のりがあった。

【写真】リーダー・酒井一圭をはじめ、メンバー5人のソロショット

◆演歌・歌謡界では異色の存在、結成から数年は「きっかけ」がなかった

──今年で結成10年となる純烈ですが、このところワイドショーなどで特集されることが増え、テレビで初めて知ったという方も多いと思います。
【酒井一圭(リーダー)】 確かにここ最近は、ほぼ毎月ペースでテレビに取り上げていただいていますね。ありがたいことです。ただ、僕らとしては5年くらい前から目の前の風景は変わっていないんですよ。僕らのライブの主戦場であるスーパー銭湯や健康センターの大広間では、ここ数年ずっと同じような光景が繰り広げられてきましたから。

──3月発売の「愛でしばりたい」が週間シングルランキング初登場5位と初のトップ10入りを果たしましたが(「演歌・歌謡」部門では1位)、いきなり浮上したというわけではないと。
【酒井】 言っても10年かかっていますからね。でもそういう活動を継続していたら、テレビ業界の方が「なんだかスーパー銭湯がカオスなことになっているらしい!」と取り上げてくださって、それが別のバラエティ番組やワイドショーにも飛び火して、というのがここ1年くらいのことです。

──最近は演歌・歌謡曲番組への出演も増えましたが、今も“スーパー銭湯アイドル”と紹介されることが多いですよね。でも、そもそもなぜスーパー銭湯を主戦場にするようになったんですか?
【酒井】 結成から数年は僕ら、まったく歌わせていただける場所がなかったんです。テレビからお呼びがかかるどころか、仕事がまったくなかった。
【友井雄亮】 家賃も払えない、飯も食えない、ひどいもんでしたね(苦笑)。
【酒井】 純烈というのはプロダクションが大きいわけでもない、カラオケコンテストで優勝したメンバーでもない、作家先生の弟子でもない。つまり草野球チームがプロ野球を目指すようなもので、正規ルートがまったくない中で、演歌・歌謡曲の世界に切り込んでいったグループなんですね。だから当然、物事はそんなにスンナリ行くわけでもなく。
【小田井涼平】 それでもコツコツとキャンペーンを続けていって、そんな中でたまたまスーパー銭湯に出させていただいたのが5年くらい前のこと。それから各地のスーパー銭湯やキャバレーにお呼びがかかるようになり、今に至るわけです。
【後上翔太】 3、4年前から、年間220ステージくらい立たせていただけるようになりましたね。
【酒井】 正直、当初は資金繰りもカツカツで。今でこそ歌番組にも出させていただいていますけど、スーパー銭湯さんから声がかかっていなかったら、活動を続けていられていなかったかもしれません。スーパー銭湯は僕らの「ふるさと」ですね!

◆俳優からムード歌謡グループへ転向、キーマンは前川清!?

──それにしても、当時大学生だった後上さんを除いて、グループ結成前は戦隊ヒーローで活躍されていた俳優。それがなぜムード歌謡グループを結成しようと思ったのか、純烈ビギナー向けにその経緯を教えていただけますか?
【酒井】 きっかけはですね、僕が入院している時に、夢に前川清さんが出てきたことがありましてですね。

──前川さんといえば、ムード歌謡のレジェンド「内山田洋とクール・ファイブ」のメンバー。でもその話、できすぎじゃないですか!?
【酒井】 いや、本当なんです! 10年前、足を複雑骨折して40日間入院しまして、もう歩けないかもしれないとも言われたんですね。その時は俺もこれで終わりか……と。ところが夢に出てきた前川さんは、直立不動で歌っている。その時に、「これだ!」と思ったわけです。それで幸いにも歩けるようになってから、すぐに今のメンバーに声をかけたんです。

──後上さんは純烈に参加するために、東京理科大学を中退したんですよね。
【後上】 はい。ちょうど就職活動の時期だったんですけど、時はまさにリーマンショックで超氷河期だったんですね。そんな時に、世間の風とは真逆のポジティブなことしか言わない人に出会ったんですね。それがリーダーだったんですけど。
【酒井】 いや、世間に逆風が吹いている時だったからこそ、チャンスだと思ったんですよ。こっちはお金がないことには慣れていますからね。イチかバチか、突っ込んで行った者勝ちじゃないかと。それは今の時代も同じだと思いますけどね。だから僕ら、新曲「愛でしばりたい」でメガホンを持って踊っているんですよ。働くみなさんに向けて、頑張れ!という思いを込めてね。

──たしかに新曲「愛でしばりたい」はメガホンを使ったダンスをしていますが、まさか応援ソングという裏テーマがあったとは。
【酒井】 愛に満ちた男である僕らが、働く人々を応援するぞ!という思いを込めて。それと実はこの曲って、純烈が5人体制になって初のシングルなんですね。今まで6人で活動していたんですが、昨年末に林田達也がグループを卒業しまして。そのことでファンの皆さんも解散の危機を心配されていたので、「ぜんぜん大丈夫ですから!」ということを、この景気の良い曲と振りをもって示したわけです。

──そして今年はこの曲を引っさげて、結成以来のキャッチフレーズである「夢は紅白! 親孝行!」を目指すわけですが、その前には11月9日に東京国際フォーラムホールCでの単独公演が決定しています。
【酒井】 まだまだ通過地点です。ホールCは1500人キャパなので、次は目指せ(5000人収容の)ホールAです! しつこく続けてればいつかは満杯になるってことを、僕らスーパー銭湯の活動で経験しているので、粘り強く頑張ります!

──しかし、純烈のライブといえば、お客さん1人ひとりとのふれ合いが魅力。NHKの『うたコン』でも客席へ降りて回っていましたが、3階席まであるホールなど、キャパが大きくなればなるほど難しくなるのでは?
【白川】 上の階までダッシュしてハイタッチして戻ってくるとか、できないですかね?やってみたいですけど。
【小田井】 でも、たとえホールが埋まるようになったとしてもスーパー銭湯でのステージは続けたいですね。僕らよく「紅白に出て、終わってすぐあとにスーパー銭湯でニューイヤーライブをやれたら最高だね」って夢を膨らませているんですよ。年末のNHKホールって歌手にとって日本一、ステータスの高いステージですけど、その直後にスーパー銭湯という。その両極端ぶりこそが、純烈の目指すところじゃないかって思うんです。

(文:児玉澄子/写真:逢坂聡)

最終更新:6/28(水) 14:53
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