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希少種保護の国有林に不審車両 パトロール強化へ 徳之島地区自然保護協

6/22(木) 13:03配信

南海日日新聞

 鹿児島県の徳之島地区自然保護協議会(松村博光会長)は20日、天城町役場で総会を開き、2017年度の事業計画などを決めた。希少動植物の保護を目的に車両の通行を禁じている徳之島中部の剥岳(はげだけ)林道で今春、不審車両が複数回侵入したと、林野庁九州森林管理局鹿児島森林管理署が報告。同協議会は世界自然遺産登録にも向けてパトロールを強化し、不審車両の情報提供など連携を拡充していくとともに、外来植物分布状況調査を早期に実施することを確認した。
 剥岳林道は延長2.3キロ。天城町三京と徳之島町大原を結び、両町にまたがる剥岳(標高382メートル)を横断する。周辺の国有林は希少な動植物が分布し、林野庁は2013年4月に森林生態系保護地区に指定。鹿児島森林管理署は剥岳林道の出入り口2カ所に門扉を設置し、昨年12月1日から林道を車両の通行を規制している。
 徳之島森林事務所の宮川貴之首席森林官によると、不審車両の侵入があったのは今年4~5月上旬。徳之島町大原側の門扉周辺の樹木が伐採され、車両が複数回侵入していた。今のところ、周辺の希少植物の盗掘などは確認されていないという。
 国有林内の立ち入りには同森林管理署への届け出が必要。剥岳林道は、自然保護関係者のパトロールや学術機関の研究調査などで通行の許可を受ければ鍵を貸し出している。宮川主席森林官は「不審車両を発見した際は情報提供してほしい」と呼び掛けた。
 来年夏の世界自然遺産登録を視野に今年の夏から秋にかけて国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が現地調査が見込まれることについて、環境省徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官は「猫問題の対策がポイントになる」として、「短期的な取り組みだけでなく、将来を見据えた中長期的な対策の実施を検討が必要」と述べ、理解と協力を求めた。
 奄美群島国立公園指定に伴い、特別保護地区では動植物の捕獲・採取が原則禁止されていることから、会員からはハブ捕獲に関して3町の買い取り窓口で特別保護地区内での捕獲禁止を呼び掛けてほしい、との意見もあった。
 17年度は自然保護パトロールや外来植物の駆除を継続するほか、7月31日に第2回外来ネコ問題研究会シンポジウムを計画している。

南海日日新聞

最終更新:6/22(木) 13:03
南海日日新聞