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日に日に強くなる中国の介入 中国政府の要請でタイ入国拒否も

6/22(木) 12:50配信

ニュースソクラ

【ニュースソクラ編集長インタビュー】香港民主化運動のリーダー、黄之鋒氏と周庭氏

 香港民主化運動のリーダーで新党デモシストの秘書長を務める黄之鋒氏と同党常務委員の周庭氏が来日し、14日にニュースソクラのインタビューに応じた。

 香港返還20周年の7月1日を控え、「私たちにはアジアへの渡航の自由すらない」としたうえで、「中国の覇権が強まる中、民主化での香港の未来は日本の未来にもつながっている」と語った。ふたりは2014年に香港中心街を占拠し行政長官を民主選挙で選ぶよう求めた市民運動を主導した。当時は十代の若いリーダーとして話題になった。

 ――習近平中国主席が香港を訪れる返還20周年の7月1日には何か行動するのですか。

 黄氏 毎年実施していることですが今年も民主化や自立を求めてデモをします。港から政庁までのデモで、それに参加する予定です。
 ――習政権が誕生してから非民主的な動きは強まっているのですか。

 黄氏 習政権になってから年々歳々中国政府の介入は強くなっています。(香港の憲法とされ全人代で採択された)基本法に書かれている「一国二制度」とは異なる動きです。

 ――「一国二制度」にはいろんな解釈があるのではないですか。

 周氏 基本法では軍事と外交以外は自治を認めると書いてあります。形は立法権などがあるようにも見えますが、実際には中国の影響力が日に日に強くなっています。いまは全人代は基本法の解釈権を保持していますし、立法会議員の議席を取り消す権利も中国が持っています。どんどん中国のコントロールが強まって、一国一・五制度になってしまっています。

 ――どんなところが一・五制度といえるのですか。

 黄氏 香港では2年前、反習政権の著作を販売していた書店店主5人が当局に中国やアジアの国に拉致され、中国で長期間拘束されたことがありました。大変な事態です。最近では親・中国派として知られていた不動産王が香港のど真ん中フォーシーズンズ・ホテルから拉致され、いまだ解放されていません。街中で当局が誘拐するんですよ。台湾でも同じようなことが起こっています。

 周氏 香港は死んでいます。

 ――ふたりが不自由を感じることはありますか。

 周氏 黄さんは昨年10月、バンコクの国際空港でタイに入国しようとして、一時的に拘束されて結局、香港にそのまま戻りました。タイの首相は入国拒否は中国政府の要請だと明らかにしています。マレーシアも入国拒否です。マカオや中国本土どころか、親中国の国には入れない。シンガポールのNGOと香港とスカイプで会議をしたら、NGOが捜査され、パソコンはいまでも警察にあります。私たちがストレスなく、自由に入国できるのはアジアでは、日本、韓国、台湾だけです。

 ――台湾とは似たような立場にありますが、連携はあるのですか。

 周氏 学生のころから、台湾との民間交流はありました。同じように中国共産党と対抗しているわけですから。実は、今回訪日する前に台湾に行き、ひまわり運動の学生リーダー結婚式にふたりで参列して来ました。彼らの方がむずかしい立場にいるように思います。

 ――新しい行政長官はどうですか。

 周氏 中国政府に対して大きな権力をもっているとは思えません。

 ――2014年の雨傘革命は、結局は「成果」が得られていないようにみえますが、街頭デモは無力なのでは。

 周氏 まったく成果がなかったとは思っていません。あの運動がなければ、新党のデモシストから若い議員の香港の立法会(国会に相当)議員への当選はありえなかったと思います。

 ――ふたりは恋人同士ですか。

 周氏  (二人とも大笑いして)ありえないです。香港でも誤解している人がいるのですが、黄には別に恋人がいます。それを隠したことはありません。私には彼氏はいません。

 ――日本や安倍政権にもとめることは。

 黄・周氏 メディアや政界とだけではなく、一般の日本人とも交流をしていきたい。日本は全般的に政治に無関心な層が多くなっていますが、もっと香港のことを知ってほしいのです。中国の覇権主義はより強まっています。香港の将来がどうなるかは、日本の未来にも関係しているのです。

■聞き手 土屋直也(つちや・なおや) ニュースソクラ編集長
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設

最終更新:6/22(木) 12:50
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