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製造業IoTで“オールジャパン”確立、政府主導のロボ戦略部隊が呼び掛け

6/22(木) 16:27配信

日刊工業新聞電子版

■業界団体との連携推進

 ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)が発足後3年目に入る。政府が打ち立てた「ロボット新戦略」の実動部隊として2015年に設立。ロボットのほか、IoT関連の取り組みも活発だ。17年度から、こうした動きを加速するべく体制を強化する。経済産業省が新たに推進する戦略「コネクテッド・インダストリーズ」でも重要な役割を担いそうだ。日本のロボット、IoTの“顔”として一層の活躍が期待される。

 産学官約480会員が集うRRIの活動は、新たな段階に入る。IoT関連の取り組みを推進するグループ「WG(ワーキンググループ)1」に、「情報マーケティングチーム」「調査研究チーム」「工業会・協会・学会連携チーム」「広報戦略・プロモーションチーム」の4組織を新設。特に製造業向けIoTの取り組み強化が狙いだ。

 その背景には着々と成果をあげる海外の動きへの危機感がある。RRIの水上潔インダストリアルIoT推進統括は「インダストリー4・0(I4・0)を推進するドイツからは、次々と成果が発表されている。特に、主導する団体『プラットフォームI4・0』が出した報告書は、50本を超えた」と警鐘を鳴らす。こうした海外の潮流を調査し国内産業界に発信することが、新チームの重要な使命の一つだ。

■日独連携、先進事例を共有

 既にRRIは経産省と連携し、IoT関連の国際活動で重責を担っている。16年4月には、プラットフォームI4・0と共同声明を発表。時を同じくして日独政府がIoT関連で声明を発したことを受け、それぞれの国を代表する産業団体として同調した格好だ。

 こうして始まった日独連携の1例が、先進事例の共有だ。ドイツの取り組みに倣い、日本側も事例を紹介する「IoTユースケースマップ」を作成。RRIのホームページ上で公開した。現在、200件以上の事例を掲載している。

 国際標準化に向けた取り組みでも、RRIの役目は重要だ。さまざまな国・団体が、IoT化の基本概念などを図式化した「参照モデル」を提唱する中、日本は各モデルを統一的に理解するための手法「URM―MM」を提案。国際電気標準会議(IEC)や国際標準化機構(ISO)で支持が得られるよう、WG1内の「国際標準化AG(アクショングループ)」が議論の参加者らへ働きかけている。

 新体制で臨む17年度、WG1は新たに「システム・アプローチ」を命題に掲げる。目指す方向性は、中長期で実現すべき将来像を設定。そこから今やるべきことを逆算して割り出し実行する「バックキャスト」型の取り組みだ。「ドイツなど海外は、今起きていることから未来を予測する『フォーキャスト』とバックキャストの両面から議論している」と水上氏は指摘する。具体的事象を重視しフォーキャスト型の議論に偏る日本の産業界に、新風を吹き込みたい考えだ。

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