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香山リカ氏講演会の中止に抗議殺到

6/22(木) 17:05配信

ニュースソクラ

公演中止の裏に、元在特会会長の桜井誠氏の影

 江東区社会福祉協議会(会長、江東区長)が21日に精神科医で立教大学教授の香山リカ氏の講演会を中止したことに対し、同社福協へは抗議が「殺到している」状況だ。22日夕刻までにメールが130件、電話が20件以上届き、ほとんどが抗議や残念だといったものだという。

 香山氏の講演は6月27日に開催予定だったもので、「地域福祉セミナー なぜ今こども食堂が必要なのか ~こども食堂を通じた支え合いのまちづくり~」というもの。地元の子ども食堂の運営者が依頼し、計画されたものだった。

 中止は、6月半ばから開催に抗議する匿名メールと匿名電話が計20件程度寄せられたため、「参加者の安全を第一」と中止を決めたと江東区社福協は説明している。内容は「びらをまく」「講演会をつぶす」といったもので、危害を加えるといったような悪質なものではないようだが、深川警察署に相談したところ警察から中止を勧められたという。

 抗議のメールが社福協に届き始めたのは、「日本第一党」の党首で前「在日特権を許さない市民の会(在特会)」会長の桜井誠氏がツィッターで「香山リカ講演会のチラシがありました。別に左右に関わらず誰が講演会を開こうが構わないのですが、パヨク側はこちら側の講演会をレイシスト講演会だと叫び叩き潰しています。だったら同じことをされても文句はないですよね?香山先生?」と呼びかけた直後から。

 ツィッター上でもハンドルネームに日本第一党・員と入った書き込みに、社福協の電話番号が掲載され、「みなさん張り切って参りましょう!問い合わせると、いろいろ意見できそうですね」と言った書き込みが現われている。

 中止が決まったあと、桜井氏らしき人物が「別に私が潰したわけじゃない」と書き込みつつ、「因果応報」などと書いている。自身が大学の学園祭での講演に出られなくなったことや、一橋大学が作家の百田氏の講演を中止したことと関連付けて「応報」と記したものと見られる。

 桜井氏が率いた在特会は2009年に京都朝鮮第一学校(日本の小学校に相当)に対し、激しい拡声器による情宣で授業妨害をしたことから有名になった。在特会を取材した「ネットと愛国」(講談社、安田浩一著)によると、学校を守るため駆け付けた父兄などに「朝鮮人はウンコでも食っとけ」などと罵っている。

 昨年7月の都知事選に「外国人への生活保護費の支給禁止や反日ヘイトスピーチ禁止条例の制定」など排外主義的な公約を掲げて立候補。小池、増田、鳥越の3強には遠く及ばなかったが、ジャーナリストの上杉隆氏に続く5位となった。いわゆる泡沫候補からは抜け出す支持を集めた。

 その後、ネット上での民族差別発言に関して在日韓国人のフリーライターに訴えられた。裁判では「社会通念上許される限度を超える侮辱行為」として賠償命令を受けている。

 香山氏は「講演会を実質的に開催しようとしていたのはこども食堂を運営する方々。その方たちの求めに応じた講演だったので、中止はとても悲しい。(講演を止めろと)抗議する自由はあるのだろうが、行政として簡単に苦情に屈したのは残念だ」とニュースソクラの取材に語った。

 江東区社会福祉協議会は「(講演中止は)行政がヘイト行動に加担することにならないか」とのニュースソクラの問い合わせには「安全第一」を繰り返した。

最終更新:6/22(木) 17:05
ニュースソクラ