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太宰、芥川、安部公房… あの文豪が綴った“ I Love You“の訳し方とは

6/22(木) 19:07配信

BuzzFeed Japan

「月が綺麗ですね」。夏目漱石は”I love you”をそう訳した。そんな逸話があります。

「愛してる」という言葉では到底形容できない、淡く、捉えどころない、それでいて突き動かされるような思い。言葉を扱うプロとも言える作家たちは、どのような言葉で愛を表現してきたのか。日本や海外の文豪100人が綴った100通りの”I Love You”を集めた本『I Love Youの訳し方』(雷鳥社)の著者・望月竜馬さんに選りすぐりの10人を教えてもらいました。【BuzzFeed Japan / 伊吹早織】

1. 竹久夢二(1884-1934)

「話したいことよりも何よりもただ逢うために逢いたい」(『竹久夢二、恋の言葉』より)

望月さん:「会いたい」という気持ちは、ため息のようにふっと漏れ出るもの。会えばもちろん話はするけれど、会うことが目的でそれ以外は何も考えられない。いま、あなたに会えることが全ての幸せ。そんな恋の始まりを感じさせる言葉です。

2. 芥川龍之介(1892-1927)

「二人きりでいつまでもいつまでも話していたい気がします。そうしてKissしてもいいでしょう。いやならばよします。この頃ボクは文ちゃんがお菓子なら頭から食べてしまいたい位可愛い気がします」(『塚本文子へ当てた手紙』より)

望月さん:「Kissしてもいいでしょう」で押してきたと思いきや、「いやならばよします」と引いてみせる。そして最後に「食べてしまいたい」の強烈な一言。こんなに全てのピースがうまくハマった恋文をもらったらやばいでしょう。

3. 太宰治(1909-1948)

「もう一度お逢いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あなたが点火したものですから、あなたが決して行って下さい。私ひとりの力では、とても消す事ができないのです」(『斜陽』より)

望月さん:叶わぬ恋に苦しむ女性が「結局幸せになれないなら、いっそのことあなたから別れを告げて楽にして」と告げる言葉です。それでも「もう2度とあなたとはお会いしません」では言えないんですね。最後にやっぱり、もう一度会いたい。胸にきます。

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最終更新:6/22(木) 19:25
BuzzFeed Japan