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岩田日銀副総裁:緩和度合いを利上げで減じていく局面ではない

6/22(木) 12:00配信

Bloomberg

日本銀行の岩田規久男副総裁は22日午前、物価動向は2%の目標まで距離があり、「金融緩和度合いを、金利の引き上げによって自ら減じていく局面では全くない」と述べた。2%の引き下げも否定した。青森市で講演した。

岩田副総裁は、景気の足取りはしっかりしてきたが「物価上昇のモメンタムは力強さを欠いており、2% の物価目標までにはなお距離がある」と指摘。実質金利を引き下げる金融緩和を「粘り強く続けることが必要」と語った。

物価については、海外経済や予想物価上昇率を反映し、「下振れリスクが大きい状況が続いている」との見方を示した。

日銀は7月19、20両日の金融政策決定会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定し、新たな物価見通しを公表する。2017年度の消費者物価(除く生鮮、コアCPI)の見通しは1.4%上昇となっているが、原油価格の下落もあり大幅な下方修正を迫られるとの見方がある。

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは同日朝のリポートで、為替と原油の水準を考慮した場合、17年度のコアCPI見通しの下方修正幅は1ポイントを越える可能性が「かなり高くなってきている」と予想。「日銀の説明はかなり苦しいものとなってきそうだ」としている。

80兆円めど

岩田副総裁は講演後の記者会見で、日銀の見通しを大きく下回る民間の物価予想は、今年から来年にかけて「日銀に近づいてくる」と説明。前年比2%台後半まで上昇した非正規労働者に続き正社員の賃金も上昇し、「物価はだんだん2%に近づく軌道に入ってくる」と語った。

国債買い入れ残高の年間増加ペースの80兆円のめどについては、「市場が非常に混乱しているかというと、混乱してない」と指摘。「残しておいた方が金融政策としては運営がうまくいく。市場に余計な混乱要素を入れる必要はない」と述べた。

原油価格については「トレンドとしては上昇」と分析した。下落が「それほど長期にわたって物価に影響することは考えられない」とした上で、一時的な動きで「物価の見通しをそれほど変えていく必要はない」と語った。

会見内容を追加します.

Masahiro Hidaka

最終更新:6/22(木) 17:06
Bloomberg