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サウジ新皇太子、王位視野も難局はこれからか-改革に国民の反発も

6/22(木) 11:25配信

Bloomberg

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン国防相は、皇太子昇格でその地位と権力を固めた。今後は得られる限りの助けを必要とするだろう。

サルマン国王は21日、おいのムハンマド・ビン・ナエフ皇太子を解任し、息子であるムハンマド国防相(31)を副皇太子から王位継承順位1位の皇太子に昇格させた。このタイミングでの発表には意外感があったものの、皇太子交代は予想されていた。ムハンマド・ビン・ナエフ氏は国内の治安部隊やテロ対策を統括する内相の職も解かれ、これら任務は新皇太子の側近に委ねられる。新皇太子は国防や経済、外交政策でかなりの権限を既に握っていた。

これだけの権力掌握には落とし穴も伴う。ムハンマド新皇太子が自身に課した課題は非常に大きい。ライバルを脇に追いやったことで、失敗や不人気の措置に伴う批判は全て新皇太子自身に降りかかることになると、ユーラシア・グループの中東・北アフリカ担当ディレクター、アイハム・カメル氏は指摘。今後は「他に責任をとらせることはより困難になる」と話す。

ムハンマド新皇太子は、父親のサルマン国王が2015年1月に即位して以来、非常に多くの職を担うようになり、サウジ駐在の西側諸国の外交官は同氏を「ミスターエブリシング」と呼ぶようになった。そのため、21日発表の人事が内政や外交政策の急激な変化につながる公算は小さい。

新皇太子が掲げる「ビジョン2030」計画は、サウジの原油依存を減らすことを目指しており、少なくともその目標はエコノミストに評価されているが、政府の実施能力を疑問視する声もある。21日の人事は、新皇太子が改革を自由に推し進められることを示唆すると投資家に受け止められ、サウジの主要株価指数は5.5%上昇、15年以来の大幅高となった。

ただ、人口が急速に伸びているサウジで若年層の期待を満たすのは非常に困難な仕事だ。改革を成功させるには、多くの国民が補助金削減や公的部門の職の減少といった痛みを伴う変化を受け入れる必要がある。また、国営石油会社サウジアラムコの株式を最大5%売却する計画は、同社の財務内容を公表することを意味する。原油相場は今週、1バレル=45ドルを割り込み、政府が外貨準備を大きく減らすことなく国民を満足させられる能力は限られることになる。

原題:Saudi Prince Has the Throne in His Sights. Now for the Hard Part(抜粋)

Marc Champion

最終更新:6/22(木) 11:25
Bloomberg