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大洗研被ばく 合成樹脂でガス発生か

6/23(金) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(大洗町)の作業員被ばく事故で、破裂したビニールバッグの中にあった核燃料物質は「エポキシ樹脂」と呼ばれる合成樹脂で固められていたことが21日、機構への取材で分かった。機構は、樹脂が放射線で分解されてガスが発生したことも破裂原因の一つになった可能性があるとみて調べている。機構は同日、7月末までに事故原因や再発防止策を報告書にまとめる方針も示した。

機構によると、原因となった核燃料物質の貯蔵容器の中身は、プルトニウム酸化物とウラン酸化物のほか、「スクラップ」とだけ記録され、燃料以外の具体的な成分は明らかになっていなかった。

事故が起きた「燃料研究棟」で作業に関わった元職員の技術者に機構が聴き取りしたところ、X線を使って核燃料物質の結晶構造などを調べる際、粉末状の核燃料物質をアルミプレートに固定するためエポキシ樹脂系の接着剤を使用していたことが判明。

窒化物や炭化物の燃料は研究で使い終わった後に加熱処理するため、樹脂は気化して残らない。だが、酸化物は化学的に安定していることから、使用後は樹脂と燃料部分をプレートから切り離し、そのまま容器内に収めていたという。

機構は同日開かれた文部科学省の特命チームの会合で、「樹脂が放射線で分解され、ガスが生じた可能性は否定できない」と説明した。

事故原因を巡っては、放射線によって核燃料物質が入るポリエチレン容器が劣化してガスが生じた可能性なども指摘され、機構は複数の要因が重なった可能性も視野に原因究明を急ぐ。

機構は同日、今後の事故対応の工程案も明らかにした。事故で飛び散った放射性物質の回収作業や、現場の除染作業は7月上旬ごろ着手し、事故原因についてはビニールバッグが破裂した現象の検証試験などを経て同月末までにまとめる方針。

一方で、原子力規制委は同日、23日に同センターを事故後2回目の立ち入り検査することを決めた。

事故は今月6日午前11時15分ごろ発生。50代の男性職員が点検のため核燃料物質入りの金属容器のふたを開けたところ、プルトニウムやウランの酸化物が入るポリ容器を包んでいたビニールバッグが破裂し、放射性物質が飛散した。現場にいた作業員5人全員が内部被ばくした。(戸島大樹)

茨城新聞社