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FRBがいよいよ資産縮小、経済にはどのような影響がある?

6/26(月) 8:30配信

THE PAGE

 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が、いよいよ資産縮小に乗り出すことになりました。これで米国の量的緩和策は完全に終了モードに入ることになりますが、経済にはどのような影響があるのでしょうか。

バランスシートは危機前と比較すると4.5倍に

 FOMC(連邦公開市場委員会)は6月14日に会合を開き、市場の予想通り、0.25%の利上げを決定しました。同時にFRBが保有する資産の圧縮を年内に開始することを明らかにし、具体的なスケジュールを公表しました。

 FRBはリーマンショック後の景気低迷に対処するため、国債を積極的に購入してマネーを市場に投入する量的緩和策を実施し、米国経済はリーマンショックから立ち直りました。その後、FRBは景気の過熱やインフレに対処するため2015年12月に利上げを決断。翌年からは追加利上げを行うなど非常モードからの脱却を進めてきました。

 しかし、量的緩和策によってFRBが購入した国債などの債券はまだFRBが保有している状態となっており、FRBのバランスシートは危機前と比較すると4.5倍になっています。本当の意味で定常モードに復帰するためには、保有している資産を市場で売却していかなければなりません。

 一気に国債を売却すると金利が跳ね上がってしまいますから、FRBは償還された国債を再投資しないという形で徐々に資産の額を減らしていくわけです。

イエレン議長は「経済成長の足かせにはならない」

 一部の市場関係者からは、金利の引き上げと資産圧縮を同時に進めると米国の景気を冷やしてしまうと懸念する声が聞かれます。これに対してイエレン議長は「経済成長の足かせにはならない」と説明しています。確かに資産圧縮開始時の減額は月60億ドル(米国債)ですから、FRBが持つ資産全体からすればごくわずかです。

 資産圧縮が直接景気を冷やすということはあまり考える必要はないかもしれません。ただし最近は米国のインフレ率が低下するなど、景気の先行きを不安視する声が高まっているのは事実です。景気が鈍化するような事態となった場合には、FRBの資産圧縮スケジュールに影響が出る可能性は否定できないでしょう。

 日本は米国と同じように量的緩和策を実施しましたが、残念ながらあまり効果は出ていません。日銀のバランスシートは量的緩和策開始前と比較して約3倍に拡大しており、その規模は500兆円に達します。FRBが資産を4.5倍に拡大させたといっても、その規模は4.5兆ドル(約500兆円)と日本と変わりません。

 米国の経済規模は日本の3倍以上ありますから、日銀はFRBと比べてかなり過剰な資産を抱え込んでいることになります。FRBが資産縮小の開始を表明したことをきっかけに、日銀の金融政策のあり方が問われることになるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/30(金) 6:06
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