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平和祈念資料館の来館者減 体験者減少が影響か

6/23(金) 11:13配信

琉球新報

 糸満市の県平和祈念資料館とひめゆり平和祈念資料館で来館者が減少傾向にある。県平和祈念資料館では2000年のリニューアル時には48万1018人だった来館者が、16年度は37万2502人まで減少した。ひめゆり平和祈念資料館では1999年度の来館者100万6600人をピークに、16年度には57万9865人まで減った。

 県内外の来場者を集計している県平和祈念資料館では県民の来場減が顕著だ。県内からの有料来館者は00年に11万1401人だったが、08年度は1万人を割り込み、16年度には7963人まで落ち込んだ。平和学習などで各学校が見学する場合は無料のため、大人の来館者が減っているとみられる。

 県平和祈念資料館学芸班の古謝将史班長は県民の来館者減の背景を「県内のレジャー施設の多様化などの影響が大きい」と推測する。対策については「教育や芸能などのテーマと戦争との関係を扱う企画展を企画し、県民にアピールしていきたい」と話す。

 ひめゆり平和祈念資料館でも、県内からの訪問校数減少が目立つ。県外の訪問校数は1991年の266校から2016年には1990校と増えた一方、県内の訪問校数は91年度の124校から16年には72校まで減少した。

 県平和祈念資料館のリニューアル以降は両資料館に訪問校が分散していることも背景にある。普天間朝佳副館長は「教職員向けの講習会などを実施しており、平和学習での利用につなげたい」と話す。

 ひめゆり平和資料館の来館者減少は、授業時間確保のために各学校が資料館見学を日程に組み入れにくい状況があるという。

 県教育庁は各学校でカリキュラム上、時間を取るのが難しいということや、(移動にかかる)バスのチャーター代などが負担になっていると分析する。

 元県平和祈念資料館職員で現在は県立博物館・美術館に勤務する園原謙さんは「詳細な分析が必要」とした上で「戦争体験者の減少が、影響している可能性がある」と指摘する。戦争体験者でない世代が増えていくことで、家族で平和祈念資料館を訪れ、沖縄戦を学ぶ動機付けが薄れているとする。

琉球新報社

最終更新:6/23(金) 11:13
琉球新報