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日本ハム・増井浩俊「離れていても365日コミュニケーション」

6/23(金) 16:40配信

東スポWeb

【プロ野球選手 妻の力(連載3)】プロ野球選手の妻といえば一般的な主婦に比べ、夫の体調管理や栄養面などに気を使ううえ、日々離れて暮らすことを強いられる。そのうえ、夫の成績次第では周囲からの冷たい視線や風当たりを受けることも珍しくない。そんな妻を選手自身はどう感じ、どう見ているのか。第3回となる今回は、日本ハム・増井浩俊投手(32)に聞いた。

「う~ん、妻の力と言われると難しいですね。選手の奥さんって、プロ野球選手にとっては留守がちになる自宅や家族を、安心して任せられる存在でないと務まらないと思いますからね。相当大変だと思います。僕も結婚前からそういう強い気持ちを持った人がいいと思っていました。そう考えると今、家族を守り、自分自身を野球に集中させてくれる妻には感謝しかありません」

 出てくる言葉は佳奈夫人(31)への感謝の思いばかりだった。

「実際に子供たちを含め、家族を守ってくれているのは彼女ですからね」

 佳奈夫人とは社会人時代の東芝で知り合い、2010年オフに結婚。以後、夫人には2男1女(長男5歳、次男3歳、長女0歳)の子育てを任せながら、自らの野球人生のサポートにも尽力してもらっている。増井の自宅はチームの本拠地・札幌ではなく東京。シーズン中は関東近郊で試合がない限り、自宅に戻ることはできない。その間、佳奈夫人は文字通り一人で留守宅を守りながら、家事、子育てに奔走しているという。

「やっぱり野球選手にとっては野球に集中することが一番大事なので。自分自身、あまり野球以外の家のことには力になれていないのが現状です。おそらく向こう(妻)はフラストレーションをためることもあると思います。でも、自分の中では今の環境がすごくやりやすい。向こうは大変だと思いますが、何とか今のような環境、関係を大事にしていきたい」

 自らが育児や家事に携わる機会が少ない分、増井には家族関係を良好に保つため重要視していることがある。それが「夫婦間の密なコミュニケーション」。どんなに疲れていても毎日妻と連絡を取ることで互いの距離感を縮めている。

「妻一人で幼い子供3人の面倒を見るのはものすごく大変なこと。妻だって愚痴を言いたくなることがあると思うんです。だからこそ、向こうを一人にせず、たとえ会えなくても毎日スマホやテレビ電話を使ってコミュニケーションを取ることを心がけています。これは結婚してからずっと続けています。やはり離れている分、余計に日々のコミュニケーションは重要だと思いますから」

 もっとも、日々の出来事を話し合うだけでは「距離」は埋まらない。増井は妻の気持ちを理解したうえで話を聞き、同時に職場であるチーム内での出来事などを積極的に妻に話す時間も必要であると感じている。

「たとえば、以前の自分はあまり妻の前で野球の話をすることはありませんでした。妻に言っても仕方がないという気持ちもありましたし、余計な気を使わせたくないという自分なりの配慮もありましたから。でも、妻に聞くと、逆にもっといろいろと言ってほしい、と。一方的にならず、相手の気持ちを理解しながら、コミュニケーションを取っていけば、会えなくてもうまくやっていけるのではないでしょうか。その積み重ねによって良い関係を維持していくことが大切だと思います」

 今年3月に行われたWBCでは侍ジャパンの一員として3試合に登板し、ベスト4入りに貢献。十分な休養を取らないままシーズンに突入も、ここまで抑えやセットアッパーとして26試合に登板し、3勝1敗13セーブ、防御率2・39(22日現在)の好成績を残している。今季も救援陣の支柱としてチームから絶大な信頼を寄せられている。

「昨オフは日本代表に選ばれたこともあり、例年以上に家族との時間が取れなかった。今オフは、昨年の分まで家族と楽しい時間を過ごせるようにしたい。そのためにも、今季は自分の仕事をしっかりやらないといけません」

 13年に次男が生まれた際、妻からお守りをもらった。今も「宝物」はバッグに入れて日々持ち歩く。妻への感謝の気持ちを忘れない愛妻家は、その思いを胸にボールを投げ続けている。

最終更新:6/23(金) 18:16
東スポWeb

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