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<週刊少年サンデー>改革うまくいけば“反撃”は可能 市原武法編集長に聞く・後編

6/24(土) 18:00配信

まんたんウェブ

 2015年に、小学館のマンガ誌「週刊少年サンデー」誌上で、就任したばかりの市原武法編集長が、生え抜きの新人作家育成を優先する異例の宣言をして話題になった。「編集長が全責任を負う」の宣言通り、同誌では新人の連載が次々スタート。しかし、同誌の発行部数が苦戦するだけでなく、マンガ誌全体の部数も減る“冬の時代”に勝ち目はあるのか。市原編集長に聞いた。

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◇驚異の新人育成力が黄金時代を支えた

――2017年2月時点での「サンデー」を見ると、連載の半分以上は市原さんが編集長になってから始まりました。すべて新人というわけではなく、藤田和日郎や西森博之ら1990年代の「サンデー」を代表するベテランも入っています。

 藤田、西森先生には「こういう雑誌にしたいので、あなたが必要なんです」と、僕が真剣にお願いしました。

 僕は雑誌の「雑」という字が好きで。つまりバランスの問題です。すごい新人さんの連載がたくさん出てきた場合、僕がベテランの作家さんに引導を渡さなければいけない時もくるでしょう。だけど現状(編集長就任の2015年)で、藤田、西森先生を凌駕(りょうが)するような若手の連載が何本あるのか? 今の作家さんたちで“チーム・サンデー”を構成する場合、彼らがラインアップにいないことは理不尽。正しい競争をしてもらうためにも、彼らは欠かせないということです。

――これからの「サンデー」には、どんな作品が必要だと考えていますか?

 80年代から90年代にかけて、少年マンガがメチャクチャ売れた。そのせいでマンガ業界に少年マンガの「売れるノウハウ」が強固にでき上がってしまいました。それを一つずつ破壊していきたい。少年マンガがもっと自由だった時代に戻したいんです。「売れるノウハウ」と「物語のおもしろさ」は本来何の関係もありません。ノウハウに固執すると、似たような作品の縮小再生産が繰り返されるばかりで、読者の方々を退屈させてしまいます。少年マンガの可能性は、もっともっと大きく自由だったはずなんです。今はそのノウハウを壊す作業と少年マンガの可能性を探る作業を真剣に進めているところです。

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最終更新:6/24(土) 18:00
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