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THAADで米中説得なるか 文大統領が両国に「メッセージ」

6/23(金) 16:17配信

聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、1週間後に迫った韓米首脳会談と、来月上旬の主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて開催見込みの韓中首脳会談を前に、こじれにこじれた米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備問題を巡り米中それぞれにメッセージを送っている。配備を急ぎたい米国と、自国の「戦略的利益」を理由に配備に反対する中国の双方を説得できるかどうかが注目される。

◇米国には「手続き問題」指摘

 文大統領の米国に対するメッセージは一貫している。韓米両国の前政権によるTHAAD配備の合意を尊重するものの、まずは配備地に対する環境影響評価など国内の法的・民主的手続きを踏むべきだというものだ。

 文大統領は先に行った米ワシントン・ポスト紙のインタビューで、「配備は前政権が決めたことだが、私はその決定を軽く受け止めない」と述べ、合意を一方的に変える考えはないことを示唆した。長ければ1年に及ぶ可能性もある環境影響評価を実施することについても、「配備を延期したり決定を覆したりするという意味ではない」と説明した。

 その一方、文大統領は22日にロイター通信のインタビューで、当初の韓米間の合意では今年後半までに発射台1基を配備する計画だったと明らかにし、合意と異なりさらに1基が実戦配備されたことを公表。「どういう理由か分からないが、全ての手続きが繰り上げられた。国内の法と規定をきちんと守ることが重要だ」と指摘していた。現在、THAADの発射台は南部の慶尚北道・星州に2基配備されており、ほかに4基が韓国国内に保管されている。

 文大統領の発言は、朴槿恵(パク・クネ)前政権がTHAAD配備に際して国内手続きを無視したことも問題だが、合意に背いた米国にも一定の責任があるというニュアンスで受け止められている。THAADの運用主体が在韓米軍であることを踏まえると、来年配備予定だった1基の実戦配備も米国の同意なしにはあり得なかったためだ。発言の背景には、THAADを巡る韓米首脳会談での交渉で優位に立とうとする意図もあるようだ。

◇中国には北朝鮮の挑発抑止と報復解除要求

 文大統領は一方、THAAD配備に反発して韓国企業に報復措置を取っている中国に対しては、報復の撤回を求める考えを示した。ロイターのインタビューで、中国の習近平国家主席との会談の席で「全ての報復措置を解除してほしいと要請する」と述べた。

 同盟関係の米国に対し「手続き問題」を取り上げ、THAADの実戦配備を実質的に延期する流れをつくったのだから、中国も相応の措置を取るべきだと迫った格好だ。

 文大統領はさらに「北のさらなる挑発を抑止するため中国が努力していると信じているが、まだ体感できるほどの結果は得られていない」と述べ、北朝鮮核問題の解決に向け中国がより大きな役割を果たす余地があると指摘した。THAAD配備の名分は北朝鮮の核・ミサイルからの防衛であるため、北朝鮮に影響力を持つ中国が圧力をかけて挑発抑止の一助になるなら、中国が希望する通りTHAADの配備が必要なくなるとの認識が発言の背景にあるようだ。

 結局のところ、文大統領は同じ民主主義国の米国に対しては法的手続きを理由に配備を先送りさせ、同時に中国には配備の理由である北朝鮮の挑発を封じる行動を取るよう求めるという妙手を打ったことになる。

 だが、まだ目に見える結果は出ていない。米国は文大統領のメッセージに共感を示しつつもTHAAD配備の妥当性を指摘しており、中国も先日の韓国との外務次官級戦略対話で配備反対という従来の立場を繰り返した。

最終更新:6/23(金) 18:40
聯合ニュース