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東芝、半導体優先権は「総合判断」と社長 28日最終合意目指す 

6/23(金) 21:21配信

ロイター

[東京 23日 ロイター] - 東芝<6502.T>の綱川智社長は23日記者会見し、半導体メモリー事業売却の優先交渉先として、政府系ファンドの産業革新機構などによる買収連合を選んだことについて「総合的な要素で決めた」と述べた。28日に最終合意を目指すという。

東芝は21日、子会社「東芝メモリ」の売却先について、革新機構と米投資ファンドのべインキャピタル、日本政策投資銀行からなる買収連合を優先交渉先に選定。綱川氏は、同連合との交渉について「28日に最終合意したい」と述べた。

2兆円の買収額を示した同連合に対して米半導体大手ブロードコム<AVGO.O>が2.2兆円を提示。金額面で下回る応札者を選んだ理由について綱川社長は「企業価値の評価額だけでなく、従業員や工場の維持、事業の継続拡大など総合的な要素で決めた」と説明した。

<優先権は東芝主体で、政府意向も考慮>

判断に政府の方針が影響したかどうかについて綱川氏は「いろいろな判断のうちの一つだが、東芝主体で決めた」と述べ、政府の意向も考慮の対象としたことを認めた。

メモリー生産で提携しながら、一方的な売却の差し止めを求め司法闘争に踏み込んだ米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>が、革新機構などの連合に合流するかどうかについて綱川氏は「(WDから)話があれば協議する」としながらも、「現在のコンソーシアムで28日、合意したい」と語り、WDが合流する形で最終合意する可能性を否定した。

革新機構などの連合には、韓国半導体大手のSKハイニックス<000660.KS>がべインキャピタルに4000億円を融資する形で加わっている。

ただ、SKハイニックスの資金拠出は融資にとどまり、東芝メモリに対する議決権は発生しないと綱川氏は説明。政府が懸念する技術流出については、議決権がないことを根拠に「懸念はない」(綱川氏)と強調した。

SKハイニックスを除くと、半導体の技術や事業運営に関するノウハウを持たない買収連合については、誰が経営主導権を取るのかが不透明で、懸念材料だとする見方もある。

これについて綱川氏は「東芝メモリ幹部が引き続き事業を執行する」と述べ、経営のかじ取りは、東芝から離れる現幹部が担う考えを強調した。

<年度末の自己資本比率、10%回復を期待>

綱川氏によると、2兆円の買収金額が今年度中に払い込まれると、約7000億円の資本のプラス効果が見込めるという。東芝は17年3月期に5816億円の債務超過の予想で、売却完了が今年度中に間に合えば、株主資本は1000億円強に回復する計算だ。

会見に同席した平田政善専務は、今年度中の利益や資産売却などの資本対策により、「17年度末には株主資本比率10%に届くレベルに回復したい」と述べた。

<2部降格を陳謝>

17年3月期での債務超過転落に伴い、東証は23日、東芝が8月1日付で東証2部に降格すると発表した。綱川氏は2部降格について「深くお詫びする」と陳謝した。

東芝は同日、6月末が提出期限となっている2017年3月期の有価証券報告書について、期限の延長を関東財務局に申請し、承認を受けた。次の期限は8月10日。

(浜田健太郎 編集:内田慎一)

最終更新:7/17(月) 2:26
ロイター