ここから本文です

2000年度生まれ以降は子宮頸がんから守られない? HPVワクチン実質ストップの影響

6/23(金) 6:01配信

BuzzFeed Japan

国が積極的な勧奨を中断して4年、事実上、接種がストップしている子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)。この空白期間に公費助成で打つ機会を失った2000年度生まれの女子が、子宮頸がんを発症するリスクは接種開始前のレベルに戻ったと推計されることが、大阪大学産婦人科の助教・上田豊さんや特任研究員・八木麻未さんらの研究で明らかになった。

20~30代の子宮頸がん発症が増えている日本。このまま国がワクチン接種に消極的な姿勢を見せたままでいると、2001年度以降に生まれた女子も発症リスクが高いまま放置されることになりそうだ。【岩永直子 / BuzzFeed Japan】

性交で感染するウイルスが原因のがん

子宮頸がんは、主に性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で発症するがん。性交経験のあるほとんどの女性が感染するありふれたウイルスで、多くは自身の免疫力で排除される。ところが、一部は持続的に感染することでがんの前段階である前がん病変に進み、さらにその一部ががんにまで進行する。

HPVワクチンは、約100種類あるHPVの中でも特にがんに進みやすい16、18型への感染を防ぐ。日本人の子宮頸がんの約6割はこの16、18型が原因とされている。性交渉を始める前に打つことが効果的で、国は2013年4月から12~16歳の女子について公費で接種する定期接種とした。

ところが、直後に痛みなどの体調不良を訴える声が相次ぎ、同年6月に国は積極的に勧めることを中断した。被害を訴える人たちは昨年7月、国や製薬会社を相手取り、慰謝料などを求めて集団訴訟を起こしている。

こうした影響で、一時、7割程度だったと推計されるワクチン接種率は現在、1%未満まで減少し、事実上ストップしている状況だ。

定期接種で発症リスクも30~44%低下

上田さんらは、生涯の子宮頸がん発症リスクは、生涯のHPV感染リスクに比例すると仮定して、大阪府堺市の各出生年別の接種率を元に、感染率やがん発症率を推計。

ワクチンが定期接種化した時には17歳で対象年齢から外れていた1993年度生まれの発症リスクを1とした場合、他の出生年度ではどれぐらいの発症リスクとなるか比較した。

その結果、積極的勧奨が行われていた時期に対象年齢だった1994年度生まれから1999年度生まれまでは、累積接種率が65.8~75.7%となり、定期接種で打つ機会のなかった1993年度生まれより、発症リスクが30~44%下がった。

1/2ページ

最終更新:6/23(金) 6:01
BuzzFeed Japan

Yahoo!ニュースからのお知らせ