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国が後押しする「7月の株主総会」開催 「4月の株購入でも配当」する企業は現れるのか?

6/23(金) 7:01配信

マネーの達人

毎年6月末(平成29年の集中日は29日)になると株主総会の報道が多くなります。

3月決算企業の個別株に投資していれば総会招集通知・議決権行使のお願いがその前に送られてきます。

横並び意識の強い日本で株主総会の日程が集中することに関しては、招集通知から開催日までの期間が日本では短いこともあり、海外の投資家には「これでは議案の精査に時間がとれない」という不満があります。

諸外国では決算日から3か月後だけでなく4~8か月後に開催する企業も見られます。

そのことを受け、経済産業省が近年株主総会の分散開催を上場企業にお願いしています。6月内での分散は進んできましたが、7月開催に関しては残念な状況です。

何年も前から株主総会分散開催をお願いしていた

3月決算企業であれば3月31日が決算日ですが、日本の上場企業では決算日 = 議決権基準日 = 配当基準日が慣例となっていました。

この日に名簿に載っている株主が総会に参加し議決権行使できるのが議決権基準日、配当をもらえるのが配当基準日です。

投資家の間では権利確定日という言葉も使われます。

会社法では議決権基準日から総会開催日までの期間を3か月以内と決めています。

そのため6月の株主総会に参加するためには3月には株を所有してないといけないわけですが、欧州主要国では基準日から総会開催日まで1か月未満です。

企業活動の基本規則を定めている定款を書き換え、基準日や株主総会の開催時期をずらせば会社法上7月の株主総会開催は認められます。

基準日を例えば5月末にずらせば、4月や5月に株買っても株主総会に出席できる上、配当も出ることになります。

主に4月末~5月前半に行われる本決算業績発表後に株を買うかの投資判断ができる可能性もあり、このような変更は投資行動にも影響が出るものです。

■1つのネックだった法人税法が改正される

法人税法では、決算日から原則2か月後が法人税の申告期限となっています。

3月決算企業なら5月末が申告期限ですが、申告前に定時株主総会の承認(監査法人の監査を受ける上場企業の場合は取締役会の決議でも可)が必要です。

ただ多くの上場企業のように、定時株主総会が3か月後になる場合は、申告期限を3か月後まで延長することが可能でした。

3月決算企業なら6月までの申告期限延長が可能です。

しかし4か月以上は認められなかったため、会社法上は良くても税法が株主総会7月開催のネックとされていました。

平成29年税制改正で、4か月後までの延長が認められるようになりました。

現実は「7月開催の3月決算企業」は現れず

平成29年になっても従来の慣例に従う企業のほうが多く、私の知る限りでも6月開催の3月決算企業ばかりで7月開催の企業は見当たりません。

ただ株主総会の6月内分散開催は着々と進んでいますし、総会欠席者が行う議決権のインターネット行使も進み、郵送の手間が無くなってきてはいます。

また総会集中日からの前倒しは準備期間を短縮するので、総務・経理部門に長時間労働を招く恐れがありますが、長時間労働解消は対策が必要な国家的課題となってきました。

時間がたてば7月開催も実現すると願うしかないですね。(執筆者:石谷 彰彦)

最終更新:6/23(金) 7:10
マネーの達人