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牛肉「一方的譲歩を」 日本の市場開放に意欲 USTR代表

6/23(金) 7:01配信

日本農業新聞

 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は21日の上院財政委員会の公聴会で、米国の貿易赤字の解消へ「日本は牛肉などの分野で一方的に譲歩すべきだ」と述べ、日本に牛肉関税の大幅削減を求めた。同氏はこれまでも日本農業の市場開放に意欲を示してきたが、個別の品目に言及するのは初めてとみられる。今後の日米経済対話で、米国側が具体的な市場開放の要求を突き付けてくる可能性が高まった。

 日本への牛肉輸出で米国産と競合するオーストラリア産が、日本との経済連携協定(EPA)によって既に関税が削減されていることから、米国内には日本市場の早期開放を求める声が強い。大詰めの欧州連合(EU)とのEPA交渉でも日本は牛肉の市場開放を求められており、これに日本が応じる事態となれば、米国の自由化圧力がさらに高まるのは必至だ。

 ライトハイザー氏は公聴会で「TPPに米国が復帰することはない」と明言した上で、トランプ政権が重視する2国間交渉について「最優先は経済大国であり巨大市場である日本だ」と述べた。

 日本と米国は4月から、通商分野を含む両国間の課題を協議する経済対話を始めているが、同氏は「現時点で日本は米国との交渉に消極的だ」とも指摘し、米国側の準備も依然整っていないと説明。一方、牛肉などでの日本の譲歩が「貿易赤字の解消に簡単な方法で、少しも日本の負担にならない」と主張した。

 4月の経済対話の初会合では、農産物貿易の議論には至らなかったものの、ペンス米副大統領は自由貿易協定(FTA)への意欲を表明している。日本はTPPで38.5%の牛肉関税を9%にすることに合意したが、トランプ政権はTPPに不満を示している。経済対話は年内の次回会合で一定の成果をまとめる予定で、米国側が将来的な2国間交渉入りを見据え、TPP以上の自由化を迫ってくる可能性もある。

 菅義偉官房長官は22日の記者会見で、ライトハイザー氏の発言を受け、「経済対話の中でどのような枠組みが最善であるかを含めて、建設的に議論したい」と述べた。

日本農業新聞

最終更新:6/23(金) 7:01
日本農業新聞