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間取りの概念を覆した?! 徹底的に美しさにこだわったリフォームとは

6/23(金) 7:31配信

SUUMOジャーナル

間取りや家具は完成品からセレクトし、自分たちが「使いこなしていくもの」。そう考えている人は多いだろう。そうした既成概念にとらわれず、自分たちの暮らしや「好き」を貫いてリフォームした人がいる。部屋はもちろん、トイレや収納の内側まで「美しい……」といわずにいられない、そのリフォームの全貌を紹介しよう。

■キッチンリフォームで気がついた「家に生活を合わせるストレス」

今回訪れたのは、千葉県にあるmayukoさん宅。すっきりとした丁寧な暮らしの工夫をつづった『丁寧な暮らしのルール』を運営する、人気ブロガーだ。実は2016年のSUUMOジャーナルにもご登場いただき、キッチンリフォームのお話を伺った。それから約1年がたち、今回は寝室と子ども部屋、トイレと収納、玄関と、キッチン・リビング以外のほぼすべてに手を入れる大規模なリフォームを行ったという。しかも廊下と部屋を仕切っていた壁を壊し、3LDKだった間取りがほぼ1LDKになるというものだ。

前回も紹介したが、mayukoさんは多忙を極めるワーキングマザー、しかもこの春小学生になったばかりの双子の娘さんがいるが、リフォーム後の住まいは生活感やごちゃごちゃ感が一切ない。どの部屋もため息が出るような美しさだ。

「もともと、子どもたちの小学校入学のタイミングに合わせてファミリーデスクをつくろう、という話がはじまりでした。それに合わせて子どもたちのスペースもリビングと同じ床材にしようという程度に考えていました。だからここまで大規模なリフォームにするつもりではなかったんです(笑)」と、はじまりを振り返る。

子どもの成長にともなって、住まいが手狭になったり、暮らしに合わなくなるというのはよくある話。リフォームを考える前に、引越しするという選択肢はなかったのだろうか。

「このマンションの立地やリビングからの眺めがすごく気に入っているんです。だから子どもが大きくなってこの間取りが使いづらいと感じたからといって、引越すことは考えられませんでした。それに1年前にキッチンをリフォームしたことで、『今までは家に生活を合わせていたんだ』ということに気がつきました。持っているモノや自分たちの生活に合わせて家をリフォームしたら、こんなに快適なんだ! って、この1年、つくづく実感したんです」

ただ、“暮らしに家を合わせる”と単にいっても、大人の「好き」を追求・徹底することは難しい。特に子どもがいればなおのこと、子どもの好みや使い勝手が優先となってしまいがち。今は我慢して、子どもが大きくなってからリフォームするという「先延ばし」も考えられたかもしれない。

「そもそも、私がワガママというか、子どもの空間とはいえ、気に入らない家具を置いてイライラしながら暮らすのはよくないと思ったんです。子どもだって母親がイライラして過ごすよりも、ご機嫌なほうが心地よいはず。年齢的にもアラフォーになり、今後の数十年間小さな不満を抱えて生きるよりも、決断するなら今だな、と思ったんです」とその理由を明かす。

■『その壁は本当にいる?』からはじまった壁のぶち抜き計画

リフォームプランの依頼先は、前回と同様、インテリアの造作やリフォームも手掛けるFILEの石川敬子さん。1回目の打ち合わせから、デスクを置くことに加えて、部屋と廊下を区切っていた壁を取り払うことが提案されたという。もともとの間取りに造作のデスクを置いたとしても、部屋が暗く閉鎖的な空間になってしまう、というのがその理由だった。

「壁をぶち抜くといわれたときは、さすがに驚きました。ただ、昔から私たち夫婦のことをよく知っていて、信頼している石川さんからの提案なので、すんなり受け入れられましたね」

デスクの裏側は一面収納とし、統一感を出すためにキッチンと同様の建具にすることが決まった。また、2つの部屋の壁を抜くことで、床の色に違いが出ないよう、床材も全面的に張り替えることに。

あわせて見直したのが、寝室と洋室にあったウォークインクローゼット(以下、W.I.C)。

「今まで漠然とW.I.Cは収納力があると思っていたのですが、石川さんから、クローゼット(壁面収納)のほうが収納力がアップするし、有効面積も広くなりますよ、とアドバイスされて。それならということで、ここに収納したい物にあわせてサイズを測りなおし、クローゼットにしました」

反対側にあたるキッチン側のパントリー収納も奥行きを深くするなど、再調整をしたという。

■寝室はグレートーンで統一。心が落ち着く空間に

続いてリフォーム計画にあがったのが、寝室。こちらにもあったW.I.Cを見直して夫妻それぞれのクローゼットに変更。あわせてmayukoさんが憧れていた腰パネルを採用するとともに、ホコリが舞うのをおさえるために、フローリングではなくカーペット敷とした。現在はここで家族4人が寝ている。

さらに、トイレも手洗いシンクの下に収納をつけること、壁紙の張り替えなどを行うことにし、寿命を迎えそうな洗濯パン、雰囲気に統一感を出すため玄関も同時にリフォームしてしまうことに。結果としてキッチン・リビング以外、ほぼ全面的な大規模リフォームとなった。

ここまでの大規模リフォームだと、やはり費用が気になるところ……。

「カーテンなどのファブリックも見直し、そろそろ寿命が来そうな洗濯乾燥機もあわせて変更したので、総額で輸入車1台分くらいはかかりました。見積もりを見たときはさすがにびっくりしましたが、お金をかけた以上の価値はあると、1年前のキッチンリフォームで実感していましたから。今回のリフォームは、前回のリフォーム経験があったからこそ、思いきって決断できたんだと思います」

リフォーム期間中の生活は、どうしていたのだろうか。「不便はありませんでしたか?」という質問には、

「リフォームの施工期間2カ月ほど。その間、リビングに必要最低限の荷物を集めて日常生活を送りながらの施工となりました。また、友人のお家や実家に荷物を預かってもらったり、マンションのゲストルームに数日間宿泊するなど、落ち着かない日もありました。そんな苦労はありましたが、やっぱりリフォームしてよかったです」とmayukoさん。

「キッチンリフォーム時は、美しさと機能面が5:5くらいでした。今回のリフォームは、美しさ8:機能2でしょうか。機能面でいえば、通風・採光と収納くらいですから。家全体が明るくなり、収納があるので、きっちりモノがしまえる。でもこうした機能面以上に、心理的に好きな空間に囲まれる幸せってかけがえがないものだなって思いました。大げさにいえば、人生の質がよくなる、そんな感じです」

リフォームには時間と手間、費用、そのすべてがかかるため、妥協せずに、自分好みの空間を追求するのは、誰にでもできることではないかもしれない。でも、お気に入りの空間があれば、人はもっと安らげるし、楽しくなる。「単なる不満の解消」「機器の交換」というリフォームから、もっと心地よく生きるためのリフォームへ。こうした発想があれば、暮らしはもっと豊かなものになるのかもしれない。

●取材協力
・「丁寧な暮らしのルール」収納、料理、インテリア、ときどき双子。

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嘉屋恭子

最終更新:6/23(金) 7:31
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