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転職に奥手な若者、賃金増のチャンス逃す-ゆとりで遠のくデフレ脱却

6/23(金) 8:18配信

Bloomberg

今年、コンサルタント会社に入社したばかりの酒井忠利さん(22)は自分の将来に高望みはしていしないという。結婚して子供を育て、孫に恵まれ、時には旅行に出掛ける。そんな「ゆとりある生活」を夢見ている。「転職は考えていない。終身雇用は大事だと思う」。仕事に求めているのはお金ではなく、やりがいだ。

4月の有効求人倍率がバブル期を上回る1.48倍を記録するなど、雇用環境の売り手市場が続く中、若年層は安定志向を強め、収入増につながるキャリアアップにも消極的だ。政府がデフレ脱却の切り札と位置付ける賃上げが進まない要因の一つとして低い労働流動性が指摘されている。

総務省の労働力調査(2016年平均)によると、就業者に占める転職者の割合は、若い世代ほど低下傾向にある。06年から10年間で、15-24歳で14.4%から11.5%、25-34歳で7.9%から6.9%に低下した。増加傾向にある45歳以上の中高年層とは対照的だ。

労働政策研究・研修機構の調査では、一つの企業に長く勤めることを望む20代の割合は15年に54.8%となり、過去最高を記録。調査を開始した1999年の36.6%から大幅に上昇し、30代以上の各年齢層を初めて上回った。終身雇用を支持する20代の割合も過去最高の87.3%だった。

同機構の郡司正人調査部次長は、現在の若者は「生まれてからずっと景気が良くない時期を過ごしてきた世代だ」と説明。「アベノミクスで株価は上がったが、実感なき景気回復だ。東芝やシャープのような大手企業が倒れて、浮かれていられない環境がある」と分析した。

今年4月から愛知県で銀行の一般職として社会人生活を始めた山田瑞希さん(23)。就職活動の際は安定性が最優先条件だったと振り返る。両親がバブル世代の山田さんは「バブルは山や谷があって怖い。私は平らがいい」と述べ、「衣食住が満たされ、自分が幸せだと思うレールの上を歩いていきたい」と語った。

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最終更新:6/23(金) 8:18
Bloomberg