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生え抜きの若手育てられるのは「生粋のジャイアンツ」指導者のみ

6/24(土) 11:03配信

東スポWeb

【検証巨人軍 盟主は復活できるか(4)】読売による泥縄式人事の犠牲者だとして、堤前GMに同情を寄せる声が後を絶たない。が、それを言うなら、2015年オフ、現役を引退せざるを得なかった高橋監督もまた、犠牲者のひとりだろう。原前監督時代からの脱却ありきで新体制への移行を進める読売によって、強引に監督の椅子に座らされた面もあるからだ。

 就任会見で「強い巨人をつくりたい」と語った高橋監督は、若手を中心に29人の選手を宮崎での秋季キャンプに招集。村田真ヘッドらコーチ陣に「個人のレベルアップを徹底的にやってほしい」と要請した。打者は打ち込み、投手は投げ込み、走り込みなどのメニューがほとんど。通常は午前中に組まれる投手と野手の投内連係も「やらなくていい」と言うほど個人練習一辺倒だった。

 これには、コーチ陣もやや違和感を感じていたらしい。キャンプのあと、村田真ヘッドは言った。

「どんな野球をやりたいんか、まだ監督本人の頭の中でもボヤッとしてるのと違うか。バタバタの中で監督になって、どういうチームにするのか、じっくりと考える余裕もなかったやろうから」

 同じ15年の秋、緒方監督1年目の広島は、4位に終わった反省の下、巨人よりも実戦的な練習に大幅に時間を割いた。連日3~4回の短い紅白戦を行って、課題が見つかると即座に反復練習に切り替える。さらに夜間は個人練習だ。そうした秋季キャンプで、野手は安部や堂林、投手は薮田や岡田らが着実に成長。翌年の優勝、今年の躍進へとつながっている。

 巨人では2位に終わった昨年の秋季キャンプで、遅ればせながら井端内野守備走塁コーチが実戦練習の必要性を主張。前年よりもチーム全体での守備や走塁の練習に力を入れるようになった。このころから「守備走塁は井端、打撃は江藤、二岡ら若いコーチに任せるよ」と村田真ヘッドは言った。

 しかし、井端、江藤は外様のコーチ。二岡は1998年に逆指名で入団しており、二軍での経験が乏しい。巨人が本気で若手を育てようとするのなら、村田真ヘッド本人をはじめ、斎藤二軍監督、川相三軍監督ら、藤田や須藤に鍛えられた指導者が、今こそ本腰を入れて育成に取り組むべきだ。

 広島よりも、日本ハムやソフトバンクよりも周囲のプレッシャーが厳しい巨人で、生え抜きの若手を育てられるのはやはり「生粋のジャイアンツ」(原監督の造語)の指導者だろう。若くして一軍の将となった高橋監督を胴上げするために、私としては彼ら旧世代の、より一層の奮起を望みたい。

最終更新:6/24(土) 11:03
東スポWeb