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大洗研被ばく 保安規定違反の疑い 規制委 2回目立ち入り

6/24(土) 9:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(大洗町成田町)の被ばく事故で、原子力規制委員会は23日、原子炉等規制法に基づくセンターへの2回目の立ち入り検査に入った。検査の結果、規制委は、一連の確認作業で必要な計画書などが作成されていないなど、放射性物質を扱う際の複数の保安規定違反の疑いがあると指摘した。規制委は今回で立ち入り検査を終え、今後、作業手順や放射性物質の保管などに問題がないか分析を急ぐ。

規制庁によると、事故の起きた燃料研究棟で2月から始まった貯蔵容器の確認作業について、確認だけでなく、放射性物質入りの樹脂製袋を詰め替える作業をしていたことを確認。中には毎時3ミリシーベルトの高い放射線量を計測した袋もあった。

保安規定上、1回の作業で毎時1ミリシーベルト以上被ばくする恐れがある場合、「放射線作業届」の作成が求められているが、未作成だった。機構の担当者は検査官に対し「検討が不足していた」と答えたという。

ほかに、汚染検査を使用目的とする作業台で作業計画にない樹脂製袋の詰め替えを行った▽長い間経験がない作業をする場合に必要な「非定常作業計画書」を作らずに長期間未開封の貯蔵容器の中身を確認した-ことについて、それぞれ同違反の疑いがあるとした。

また、一連の作業が承認された過程も検査した。

同機構の福島燃料材料試験部長は、事故前に機構の別の施設で放射性物質入りの樹脂製袋が膨張していたことを知っていたため、作業承認の最終判断をする部下の燃料試験課長に「気を付けろ」と指示。ただ、部長は何に注意するか具体的に指示せず、課長も膨張への問題意識や知識がなかっったため指示は生かされず、危険性の認識が低いまま作業計画が了承され、実施された。

21日の検査でも、半面マスクが適切に装着されているかを作業員同士で確認せず、除染や汚染検査をする簡易な部屋の設置訓練をしていなかったことも判明している。

検査は23日午前10時~午後6時まで、原子力規制庁の保安検査官5人が、21日の1回検査に続いて資料の確認や機構職員から聞き取りを行った。

今後、規制委は、2回の検査で判明した問題点を中心に保安規定違反や許可違反などがないかを分析する。

立ち入り検査終了後、同センターの浅野智宏副所長は「重く受け止める。分かっている事実関係の情報や残っている書類を提供し、誠意を持って対応したい」と述べた。

(高岡健作、鈴木剛史)

茨城新聞社