ここから本文です

ドイツ銀、アジア太平洋の超富裕層顧客を獲得めざし採用と投資に注力

6/24(土) 18:10配信

ZUU online

ドイツ銀行がウェルス・マネージメント事業の活性化に向け、デジタル部門に6億5000万ユーロ(約805億9862万円)の注入と100人の新規雇用を行うことが分かった。

主にアジア太平洋地域の超富裕層顧客拡大を意識した動きで、各顧客の需要に合わせた情報発信やポートフォリオのリスクチェックのデジタル化を計画している。

■削減と投資を組み合わせた合理的な戦略

ウェルス・マネージメント市場にもデジタル改革の波が押し寄せている近年、ドイツ銀行も時代の需要に対応しようと様々な新しい試みに挑戦している。

国際部門責任者、ファブリジオ・キャンペリ氏は今回の投資が、「高度成長市場に真新しい関係を生みだし、デジタル化を望む顧客の需要を満たす」有意義な改革であることをアピールしている。

デジタル化への移行にともない金融機関の大型リストラが続く中、新たな人員を補充するという動きはポジティブな風を感じさせる。

しかしドイツ銀行は2015年以降、世界の従業員総数の9%を削減する大規模な組織再編を継続しており、上級従業員の変動報酬の大幅カットなども実施中だ。2017年3月には新株式の発行などで85億ドル(約9432億4500万円)の資金調達に成功した。

「削るところは削り、増やすべきところは増やす」という合理的な戦略から、ウェルス・マネージメント事業とデジタル改革にかける意気込みが伝わってくる。

■アジア圏のウェルス・マネージメントは成長株?撤退する欧米銀行も

ドイツ銀行の動きは一部の金融機関とは対照的だ。カナダロイヤル銀行(RBC) や英バークレイズなどはコスト削減と収益低下を理由に、アジア地域のウェルス・マネージメント事業を撤退、あるいは撤退の可能性が報じられている。

その一方でシンガポールのDBSが2014年、仏ソシエテ・ジェネラルの超富裕層向けウェルス・マネージメント部門を買収するなど、活発的な拡大も見られる。

アジア圏におけるウェルス・マネージメントを成長株と見なす金融機関は、「超富裕層の世代入れ替え」を期待材料 としているようだ。クレディスイスのティージャン・ティアムCEO からは、「(自社のアジア太平洋地域における)2015年から2018年にかけての税引前利益を2倍に増やせる」との確信に満ちた発言も聞かれる。

アジア圏に進出している欧米金融機関の中で最大規模はUBSで、資産運用額は2500億ドル(約27兆7550億円)を上回る(アジアン・プライベート・バンカー2015年調べ)。シティ、クレディスイス、HSBCなどがそれに続き、ドイツ銀行は7番目の規模(600億ドル/約6兆6612億円)となる。新たな投資によって、どこまで業績を上げるか興味深いところだ。

ドイツ銀行は新規雇用の半分をアジア太平洋圏に置き、残りをウェルス・マネージメント領域でポジティブな成長が期待できる米国、ブラジル、欧州、アフリカ、中近東に派遣する意向だ。今後1年半にわたり、さらなる追加投資も予定している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

ZUU online

最終更新:6/24(土) 18:10
ZUU online