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<宮沢賢治の食卓>作者の魚乃目三太に聞く 賢治は「フーテンの寅さんのような人」

6/24(土) 21:17配信

まんたんウェブ

 俳優の鈴木亮平さんが主人公の宮沢賢治を演じたWOWOWの「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」が放送中だ。若き日の賢治と家族や親しい人たちとの関わりを、賢治が愛した食や音楽とともに描いた作品で、少年画報社の「思い出食堂」に掲載された魚乃目三太さんのマンガ「宮沢賢治の食卓」が原作。魚乃目さんは取材を進めていくうちに「賢治さんは食いしん坊じゃないかと思って」と考え、この作品を描いたという。魚乃目さんに今作を描くきっかけやドラマに期待することなどを聞いた。

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 ◇帰郷した賢治は…

 ドラマは、大正10(1921)年、若き青年・宮沢賢治(鈴木さん)は実家を飛び出して東京で自活していたが、父からの電報で帰郷。久々に帰郷した賢治は打ち込むべきものを見つけられずにいた。東京で味わったコロッケを手作りし、それを家族と“分かち合う”ことから気づきを得て……というストーリー。山崎育三郎さんが親友の藤原嘉藤治、石橋杏奈さんが賢治の妹トシを演じている。

 ◇教師時代は人生で一番バラ色だった

  ――この作品を描くことになったいきさつを教えてください。

 3年ほど前、うちの娘が2歳くらいのころに、NHK Eテレの番組「にほんごであそぼ」を見ていて、その中で子供たちが賢治さんの「雨ニモ負ケズ」を暗唱していました。テロップで文章を読んだときに、ちょっと疲れていたのか、心にしみまして、賢治さんって、どんな人なのかなと興味を持ったんです。僕が賢治さんで覚えている作品は、小学生のときに読んだ「注文の多い料理店」で、大人になって読み直したときに「この人はもしかしたらすごく食いしん坊じゃないか」と思ったんです。そこから、(マンガの)担当さんに連絡して、そのことを伝えたら調べてくれたんですよ。

 すると、いろいろ分かったんです。例えば鹿革のジャンパーを着ていておしゃれだったとか。お孫さんの宮沢和樹さんの講演会の動画を見たら、「賢治は皆さんが思っているような聖人ではなく、もっと気さくでちょっと変わった人だったんです」と言うんです。(賢治の故郷の)岩手に取材で行かせていただいて、和樹さんと話して、「どんな人ですか?」と僕が聞いたら、その答えが「子供のころ、親戚の集まりなどで変わったおじさんが一人くらいいるでしょ。放浪癖があったり、職についてなかったり、子供とトランプをやったり、ゲームを教えてくれるとか、そういう人の一人が賢治さんでした」と。「子供たちを集めて、自分の作った話を語ったり、星を眺めたら、あの星はなんだ(と解説してくれる)とか、音楽を聴いたり、そういう、おしゃれなこと教えてくれるおじさんなんです」と言うんです。それを聞いて、フーテンの寅さんのイメージができて、これは賢治さんじゃなくて、「男はつらいよ」を描くつもりでやりましょうということで取材を終えて、この作品を描きました。

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最終更新:6/27(火) 20:52
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