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小学校で「教科担任制」 県教委、学力向上へ検討

6/24(土) 9:16配信

福島民報

 福島県教委は小学校の授業で教員が専門科目ごとに指導する「教科担任制」の導入に向け検討に入った。長年の課題とされる福島県内の子どもたちの学力向上が狙いで、14校の5、6年生のクラスを中心に国語、算数、理科、社会の主要4教科で今年度から試験的に開始した。成果や課題を見極めた上で、2020年度以降、他校に拡大したい考えだ。

■試験的に14校実施

 23日の6月定例県議会の代表質問で、自民党の太田光秋議員(南相馬市・相馬郡飯舘村)の質問に鈴木淳一教育長が答えた。
 児童生徒の学力向上を目指す「頑張る学校応援プラン」事業の一環で、今年度から同事業のパイロット校に指定した県北、県中、県南、会津、南会津、相双、いわきの7方部でそれぞれ導入した。いずれも各地域の中核となっている学校が選ばれている。5、6年生の国語、算数、理科、社会の授業では、担任も含めそれぞれの教科の内容に最も詳しい教員が教壇に立っている。実施にあたり、各校には定数より1人多く教員を配置した。
 2019(平成31)年度までの3年間続け、適切な授業の進め方、教員のやりくりなどのモデルを確立する。学力向上に効果があったかどうかを精査し、成果が認められた場合には、翌年度以降に他校でも採り入れたい考えだ。
 県教委によると、現在、県内の小学校では原則、担任がそれぞれのクラスの全教科を指導しているが、教員が得意とする科目ごとにクラス間で成績に差が出るケースがある。教科担任制では学年ごとに指導内容が統一される。各教員が専門分野についてより分かりやすく解説するため児童の学力の底上げにつながるとみている。
 ただ、教科担任制の導入拡大には教員の増員が必要となる。大規模校と小規模校では教員数の面などから実施する学年の数などに差が出たり、教員の負担増につながったりする可能性もあり、パイロット校での試験実施を通じて対応策を探る。
 6年生と中学3年生を対象とした2016年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、本県は国語と算数・数学の学年別8科目のうち7科目で平均正答率が全国を下回った。県教育庁義務教育課は対策は急務とみて、「教科担任制は先駆的な取り組みと言える。実施校を広げ、学力向上につなげたい」としている。
 教科担任制の実施校は次の通り。
 醸芳(桑折町)、川俣、岩根(本宮市)、大槻(郡山市)、小野新町、みさか(白河市)、塙、城北(会津若松市)、喜多方一、楢原(下郷町)、中村二(相馬市)、石神二(南相馬市)、磐崎(いわき市)、小川(いわき市)

■中学は「縦持ち制」目指す

 県教委は中学校で各教科の担当教員が1学年だけでなく全学年のクラスを一貫指導する「縦持ち制」の導入も目指している。「頑張る学校応援プラン」事業のパイロット校14校で今年度から取り組んでいる。いずれも小学校のパイロット校と同じ地域にある学校で、成果などを検証して県内全体で普及を目指す。
 県教委によると、大規模校では1学年のみを教えるケースが多い。縦持ち制では、教員1人が専門とする教科の授業で1~3学年の各1クラス程度を受け持つ。3年間の学習の流れに沿って、より計画的な指導ができるようになる。縦持ち制の実施校は次の通り。
 醸芳(桑折町)、川俣、本宮二、大槻(郡山市)、小野、白河二、塙、若松一、喜多方二、下郷、中村二(相馬市)、石神(南相馬市)、磐崎(いわき市)、小川(いわき市)

福島民報社

最終更新:6/24(土) 9:47
福島民報