ここから本文です

いまさら聞けない「こども保険」の内容と課題

6/24(土) 11:25配信

投信1

小泉進次郎氏らが「こども保険」の創設を提言

小泉進次郎氏ら若手議員が中心メンバーとなっている自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」は2017年3月28日、子育て費用の負担軽減などを目指す「こども保険」の創設を提言しました。これはどのような構想なのでしょうか。

こども保険の仕組みは、健康保険、厚生年金保険、介護保険などのように社会保険方式を活用することによって教育や子育ての財源に充てるというものです。

小泉氏らの提言では、勤労者や企業の社会保険料を0.1%ずつ上乗せして徴収することで約3,400億円が得られ、児童手当を1人当たり月5,000円増やすことができるとしています。さらに、保険料の上乗せを0.5%まで増やせば、約1.7兆円の財源が捻出されます。

これにより小学校入学前の子ども約600万人に児童手当を月25,000円加算できるため、幼児教育・保育を実質的に無料にできます。最終的には上乗せ率を1.0%まで引き上げ、財源を3兆円規模に増やすことを想定しています。

こども保険と教育国債や消費税との違いは

こども保険は、社会保険方式により財源を確保しようとするものです。自民党では以前、教育国債なども議論されていました。両者はどのように異なるのでしょうか。

国債はその名のとおり国の借金です。現役世代(親世代)はさほど痛みを感じませんが、将来世代(子どもたち)に借金をつけ回すことになります。また、日本の国債発行額は2016年で国内総生産(GDP)の2.3倍と先進国中で最悪の水準に達しています。これ以上の国債発行はなかなか厳しいところです。

消費税を財源に使うという考え方もあります。すべての国民が広く負担するため公平感もあります。ただし、10%に増税した場合の使途はすでに決まっています。さらに、なかなか税率を上げることができていません。

政府も「人材への投資」に力を注ぐ方針

こども保険が注目を集める以前から、子育てにかかる費用を軽減する制度導入はいくつか検討されてきました。たとえば、公的年金の積立金を活用する案です。このほか、社会保険方式による「育児保険」などが提言されたこともあります。ただし「子どものいない人が負担するのは不公平」などの声もあり、実現しませんでした。

ここにきて再度、こども保険が議論されるようなった背景には、小泉氏が語るように「少子化が待ったなしの状況になっている」ことに加え、安倍政権が高等教育の無償化に意欲を示していることもあるでしょう。9日に決定した経済財政運営の基本方針(骨太の方針)でも、「人材への投資」が柱として示されました。

1/2ページ

最終更新:6/24(土) 22:35
投信1