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精神疾患患者は「危ない人」? 症状を悪化させる大誤解

6/24(土) 20:15配信

All About

医療現場の実情が描かれた人気の漫画、『ブラックジャックによろしく』。この漫画から心の病気に関する基本的な内容を取り出して詳しく解説してみたいと思います。今回は、「心の病気」に対する誤った認識が、患者さんやご家族に及ぼす深刻な悩みや問題について考えてみましょう。精神疾患=犯罪者予備軍と捉えるような大きな誤解と偏見から生まれる問題について、ぜひ知っておいてください。

◆病気の人だから事件を起こした? 一面的な見方が生む誤解

事件や犯罪のニュースは毎日のようにテレビやラジオから流れてきます。何かの事件が起きたとき、それを起こした人に心の病気の既往がある場合もあるかもしれません。しかし、それが原因で心の病気の患者さんは危険だ……といった見方をするようになってしまったとしたら、それはたいへんな誤解です。

心の病気にはさまざまなものがありますが、代表的なものは「うつ病」や「統合失調症」などでしょう。そしてこれらの患者さんの大部分は、いかなる暴力とも無縁です。実際にそうした患者さんのごく一部が事件を起こすことはありますが、実は事件の頻度自体は、全人口における事件の頻度とほぼ変わらないのです。

しかし、場合によっては患者さんが暴力的な傾向を示すこともあります。たとえば身近な人に威嚇的な言動をあらわすこともあるかもしれません。頻度自体は少ないですが、その際は病気の内容がその行動に関連している可能性には注意が必要です。

たとえば、身近な人に猜疑心を抱くようになり、それが病的なレベルならば、被害妄想になっていきます。もしその妄想の内容が原因で、たとえば自分の身の安全を確保するためには何かをせねば……という気持ちが強まれば、他人に威嚇的な態度を示す可能性が出てくるかもしれません。

つまり、心の病気の患者さんが危険かどうか、その確率を議論することは一般の人が危険かどうかを議論することとほぼ同じなのです。主な違いは、実際に何かが起きたときに、「病気の症状がそれに関連している可能性も考慮する必要がある」といったことです。

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最終更新:6/24(土) 20:15
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