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「公認不倫」は結婚生活を守るのか? 渡辺ペコさんが漫画『1122(いいふうふ)』で問いかける幸せの形

6/24(土) 7:01配信

BuzzFeed Japan

著名人の不倫が激しくバッシングされながら、不倫ドラマはヒットし、日本の夫婦の半分はセックスレス・・・。「幸せな結婚生活」とは何かが見えにくくなっているこの時代、漫画家渡辺ペコさんが、「公認不倫」という形を選ぶ夫婦を描いた新作『1122(いいふうふ)』(講談社)を発表し、話題を呼んでいる。

「夫婦」とは、「家族」とは何か? 私たちは何のために結婚するのか? 過去の作品でも家族やパートナーシップのあり方を問い続けてきた渡辺さんにじっくりお話を伺った。【岩永直子 / BuzzFeed Japan】

不倫ゴシップ、伝統的な「家族観」の圧力がきっかけに

主人公は30代半ばで、仲良しだけどセックスレスの共稼ぎ夫婦。夫は妻公認で外に子持ち既婚者の恋人がいる、というのが物語の設定だ。「公認不倫」という、世間では認められなそうな選択をしながら結婚生活を続ける夫婦を描こうと思ったのはなぜだろう。

「次の連載の準備をしていた頃、世間では不倫のゴシップがいくつも話題になっていました。でも、私は不倫そのものより、後ろにある結婚の方に関心が向いていました。自身も結婚生活が6年ぐらいたち、その経験や周りで見聞きする夫婦の話が自分の中で溜まっていたこともあります」

「また、自民党の憲法改正案が発表されて、結婚について規定した24条についての議論をネットで見聞きし、結婚を個人と個人の合意という形から、家という単位を重視する伝統的な価値観に戻そうとする圧力を感じていた時でした」

「私は自身が問題のある家庭で育ったので、『家族は良いものである』とか、『家族は助け合うべきもの』という画一的な価値観を義務として課されることには違和感を持ちましたし、不安や疑問がありました」

「色々な形の家族がいるし、家族は必ずしも幸せをもたらすものだとは限らない。家族とは、結婚とは何なのかをもう一度考えてみたいと思ったのです」

結婚生活を維持するための解決策?

著名人の不倫は、他人のことにもかかわらず、世間から激しくバッシングされた。しかし、渡辺さんは今回の作品で「公認不倫」を、二人が結婚生活を維持するために考えた解決策の一つとして肯定的に描く。

「『うまいことやりやがって』とヤジを飛ばしたくなる心情はわからなくもないのですが、現実的な話、結婚生活を長く続けているとお互いに不満がない状態ってかなり少ない。冷え切った関係かもしれないし、力がある方のモラルハラスメントとして現れるかもしれないし、そのひずみの出方の一つが不倫ということもある」

「それが表に出るとすごく不快なものとして映るのだと思います。『結婚はセックスも込みの契約なんだからその中で全て済ませるべきだ、私たちはルールを守っているのにずるい』と思わせるのかも」

「ただ、婚姻関係にある二人の間でズレがあって満たされないものがある時、結婚生活を維持するために、話し合いをしてそれぞれに合った方法を試してみるのは悪いことではないと思います。外での恋愛やセックスを公認するというと、嫌悪感を覚える人もいますが、パートナーを欺いて外でする方が二重にないがしろにすることになる。それよりは前向きな形ではないかと考えました」

漫画の冒頭で、渡辺さんは日本家族計画協会による夫婦のセックス調査結果を掲載した。セックスレスの夫婦の割合は毎年増え、2016年には47.2%がセックスレスだった。

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最終更新:6/24(土) 11:11
BuzzFeed Japan